春漁、禁漁区設定へ 県漁業組合、駿河湾奥の産卵場を保護

 記録的な不漁が続く駿河湾サクラエビについて、24日解禁予定の春漁で、初めて禁漁区を設けることが18日までの関係者への取材で分かった。禁漁区は富士川や沼津沖などの湾奥部が対象海域。県桜えび漁業組合(実石正則組合長)が同日午後に船主会を開き、春漁の24日解禁と併せて禁漁区設定などを盛り込んだ自主規制案を決定する見通し。
  禁漁区を設定する湾奥部は例年、春漁時の主な産卵場。毎年春漁はこの海域を中心に操業してきた。サクラエビの成育状況などを確認した1、2月の資源調査では、湾奥部でサンプルの採捕が多く、このまま産卵場を守れば産卵促進による一定量の確保が見込まれると判断したもようだ。
  規制案には「頭黒(あたまぐろ)」と呼ばれる産卵間近の親エビが現れたら試験網による調査を行い、頭黒の割合が一定程度多かった場合、その海域での漁を打ち切る案も加える見込み。数値化が困難な頭黒の出現割合の設定について調整を進める。
  関係者によると、事前に春漁全体の水揚げ量を決める総量規制を採用すべきとの意見があり、船主会で議論されるかが焦点。採用した場合、水揚げ量は昨年の春漁の312トン前後を基準にするとみられる。このほか、昨年の秋漁で導入した操業隻数制限や投網回数・時間の短縮も引き続き導入する。
  駿河湾サクラエビを巡っては、昨年の春漁で記録的な不漁に陥り、漁期を前倒しして終了。秋漁は自主規制を敷き臨んだが、史上初となる全面休漁に追い込まれ、資源保護への対策が急務となっていた。
  (「サクラエビ異変」取材班) 

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