地質学者塩坂氏、不漁と濁り探る 28日静岡でセミナー

 駿河湾サクラエビの不漁をきっかけに注目されている早川水系の濁りについて関心を寄せる地質学者の塩坂邦雄氏(74)=静岡市葵区=が、28日午後3時から、静岡市内の飲食店で現地報告も兼ねたミニセミナー「サクラエビ異変に光が!」を開く。定員20人で参加費は1500円(資料代込み)。
 早川水系の濁りが水力発電用の導水管を経て、日本軽金属蒲原製造所(同市清水区)の放水路から主産卵場である湾奥部に注ぎ込む問題について、塩坂氏は地質構造を分析した結果「濁り成分により海底湧水口が目詰まりしているがい然性がある」と指摘。県地学会に論文を提出した。
 5~9月の由比港漁協の産卵調査では、放水路周辺の蒲原沖は前年比約4分の1と激減。蒲原沖など湾奥部はことしの春漁で禁漁区としたエリア。昨年の秋漁は全面休漁したため1年以上も漁獲が行われていない。
 塩坂氏は「県は湾全体の卵数増を根拠に秋漁実施にかじを切った。しかし、湾奥だけ卵が少ない結果は、濁り問題の調査の必要性を高めたのでは」と指摘。そのうえで「ふ化した後の環境こそ海洋資源には重要。地元の象徴的な環境問題にもっと目を配るべきではないか」と訴える。
 会場は同市葵区両替町の「餃子(ギョーザ)天国ドンドコドン酒場」。参加者多数の場合は抽選となる。問い合わせなどは同店代表<電070(5335)2533>へ。

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