サクラエビ 異変 早川水系 強い濁り 5~6月と同じ 静岡、山梨 7月調査
駿河湾サクラエビの深刻な不漁などを受け、早川水系(山梨県早川町)の濁りの実態調査を進める静岡、山梨両県は29日、7月に計3回実施した水質調査結果を発表した。早川中、下流部と、堆砂が著しい日本軽金属の雨畑ダム上流部で強い濁りを確認した。5~6月の調査結果と同じ傾向だったことが明らかになった。
調査は山梨県内13カ所、県境1カ所で、7月3、22、29日の3日間実施した。
調査日の直前3日間にほとんど降雨がなかった22日、早川中、下流部の計4カ所の観測点で浮遊物質量(SS)は1リットル当たり110~200ミリグラムと極めて強い濁りを記録。雨畑ダム上流の雨畑川でも同日は同410ミリグラムだった。いずれも早川が合流する富士川本流の環境基準(同25ミリグラム)を超えた。
早川中、下流部では複数の砂利プラントがある。また、中部横断自動車道やリニア中央新幹線工事で出た土砂が河川敷に積まれている。このため、両県では濁りが人為的なものの可能性があるかどうか今後見極める。
5~7月に実施した濁りの実態調査は計10回程度。両県は9月中にも調査結果を分析したうえでとりまとめを公表する方針。