Happy Quality(浜松市南区) 農業誰でも挑戦可能に【しずおかMIRUIプロジェクト】

 人工知能(AI)を使用した水やりシステムなど先端技術を農家に導入し、水耕栽培による高品質なトマトやメロンの安定生産を後押しする。

独自の栽培技術で育てたメロン
独自の栽培技術で育てたメロン

 代表の宮地誠さん(46)は、浜松市内の青果市場で働く中で、生産減や担い手不足など農業の衰退を痛感した。「新規就農者の障壁は、低所得や技術面への不安。誰でも挑戦が可能で、もうかるような仕組みを作りたい」と起業した。
 静岡大情報学部と連携して、カメラが撮影したデータに基づいて葉のしおれ具合をAIが判断し、水やり設備が自動で作動するシステムを開発した。
 糖度が高いトマトの独自ブランド「ハピトマ」は通年栽培が可能で、ストレス抑制効果が高い機能性表示食品に認定された。腎臓に疾患のある人たちには排せつが難しい、カリウムの濃度を半分以下に抑えるメロンの栽培法も編み出した。
 契約農家に栽培技術を指導し、農業未経験者が取り組むためのマニュアルも制作。栽培したトマトやメロンなどは全て同社が買い取り、販売も手がけることで農家の負担を減らす。
 クラウドファンディングで調達した約118万円は、野菜のさらなる生産性向上につなげる研究開発などに活用する。
 ノウハウを全国に広め、生産性や自給率アップに国を挙げて取り組むシンガポールやタイなど海外への展開も目指す。宮地さんは「農業に魅力を感じて挑戦する人に技術を届けたい」と意気込む。
 ◇会社概要
 創業2015年、従業員8人

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