こんにゃくミート 伝統の製法、健康志向に応える こんにゃくラボ(焼津市)【しずおかMIRUIプロジェクト】

 低カロリー、低糖質のこんにゃくの長所を生かした食品開発で新しい顧客を獲得しようと、老舗専門店の岩崎蒟蒻(こんにゃく)店(焼津市)と倉島食品(森町)が共同会社「こんにゃくラボ」を立ち上げた。

乾燥こんにゃくを使用したハンバーグ
乾燥こんにゃくを使用したハンバーグ

 こんにゃくと牛すじなどを使った健康志向のレトルト食品を第1弾としてスーパーなどで販売。このほど、肉の代替食品「ヴィーガンミート」として乾燥こんにゃくを使用したハンバーグを生み出した。現在、ネットなどで販売の準備を進めている。
 健康志向の高まりを背景にこんにゃくや、大豆製品は肉の代替品として世界的に需要が高まっている。海外のベジタリアン市場進出も視野に、今後はクラウドファンディングで調達した資金57万5千円などを活用してパンや、プリンといったスイーツの開発にも挑戦する。
 ラボのこんにゃくの特徴は、四角い鉄箱の中でばたばた音を立てながら練る「バタ練り」製法。大手メーカーが機械化による大量生産に乗り出す中、手間はかかるが気泡が生まれ、味が染みやすく歯応えある製品を作ることができるという。
 国内の1世帯当たりのこんにゃく製品向け消費額は30年で半減した。ラボのトップで岩崎蒟蒻店4代目岩崎真紗美さん(37)は「こんにゃく単体の販売では、他との違いを示すのは難しい面がある」とし、新会社で健康食としての活用法を模索する。こだわりの製法と健康志向の商品を生かし「もう一度、こんにゃくが注目してもらうきっかけになれば」と期待を込める。

 ■クラウドファンディング
 目標額 30万円
 (5月に達成、募集終了)

 ■会社概要
 創業2019年、従業員2人

 ※静岡新聞2020年6月4日朝刊掲載

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