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特集 : 大井川とリニア

リニア 国土交通省専門家会議 実名化議事録④

国土交通省専門家会議 第4回 議事詳報

2020年7月16日:国土交通省

 ※この議事詳報は国土交通省が公開した「議事録」に、静岡新聞社の傍聴等の取材を補足してまとめました。「議事録」や会議当日の配布資料は 同省ホームページ でご覧になれます。


本日は流域の現状や流量予測について議論

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 本日の第4回会議では、前回の議論を踏まえ、大井川水資源利用への影響回避・低減に向けた取組み(素案)のうち、大井川流域の現状、水収支解析(流量予測)についてJR東海から説明いただき、議論したいと思う。JR東海からの説明を受ける前に、まずは、事務局より資料構成の説明をお願いする。


前回の資料を更新して提示

 (森宣夫国土交通省鉄道局環境対策室長)
 事務局より資料1-1について説明する。JR東海の説明資料イメージであるが、前回の第3回の会議で、資料2の通り『大井川水資源利用への影響回避・低減にむけた取組み(素案)』をJR東海から説明いただいたが、今回以降、毎回、本資料を更新の上、提示していくことを予定している。今回は資料2、目次の『1.大井川流域の現状』『3.4.別冊の赤字で記載されている水収支解析』の部分について議論を行うということで、別途、資料3-1~資料3-4を作成している。本日はこれら資料3について議論したいと考えている。次回は、資料3が資料2に反映されるということになる。このような形で議論を進めさせていただければと思う。なお、資料1-2も付けているが、説明は省略する。適宜ご覧いただきたい。


流量予測結果などを説明

 (二村亨JR東海中央新幹線推進本部次長)
 最初に、資料2で本日の説明の全体概要をご説明させていただく。表紙裏の目次をご覧いただきたい。本日、ご説明させていただく内容は、最初に大井川流域の現状についてを「資料3-1大井川流域の現状(素案)」を用いてご説明する。続いて工事着手前段階における取り組みの水収支解析における条件設定と別冊データ水収支解析の予測結果について「資料3-2当社が実施した水収支解析(素案)」を用いてご説明する。最後に本編資料の工事実施段階における取り組み、両斜坑・導水路トンネル掘削段階等の一部追記した事項について、本資料を用いてご説明する。
 『資料3-1大井川流域の現状(素案)』について、ご説明させていただく。この内容については、委員からJR東海として大井川流域の現状をどう認識しているのかを整理してほしい、というご意見をいただいたところであり、当社としても、水問題に長年取り組まれてきた大井川の上流域でトンネル工事を行うに当たり、大井川流域の現状をしっかりと認識することが重要であると考えている。次のページの目次をご覧いただきたい。本資料の構成は、「1. 大井川流域の自然状況」、「2.大井川流域の流況」、「3.大井川の水利用の沿革と現況」である。
 p1-1について、大井川流域の自然状況である。大井川は静岡県の中央部を南北に貫流し、下流域に広がる扇状地を抜けて、その後、駿河湾に注ぐ幹川流路延長168キロメートル、流域面積1280平方キロメートルの一級河川である。
 p1-3について、大井川流域の地形である。大井川流域は、上中流部の急峻な地形の赤石山脈と下流部の比較的平坦な部分とに区分され、下流域においては広大な扇状地を形成している。
 p1-5について、大井川流域の地層は四万十帯と呼ばれる堆積岩からなるが、褶曲(しゅうきょく)を受け、節理が発達し、標高は高く、気温の較差が大きいことから、風化浸食が進んでいる。  p1-7について、静岡県の気候は全国的に見ても温暖な気候に恵まれた県として知られている一方で、大井川上流域の山間部は気温の較差が大きく、夏季の強雨が目立つ。上流域の年間降雨量は3000ミリを超えており、河口部付近においても年間降水量が2000ミリを超える日本の多雨地域の一つと言える。
 p2-1について、大井川流域の流況であり、大井川では、渇水による節水対策が実施される年が多く発生している。表2.1によると、直近では2013年の節水率が大きく、節水期間も40日間と長期であり、渇水被害が大きかったと考えられる。
 p2-2について、神座地点における実績流量を示しており、神座の位置については、次のp2-3において赤い四角で表示しているところである。表2.2について、1974年から2016年の平均流量を表の下に記載している。平均流量は毎秒73.2トン、低水流量毎秒約12・9トン、渇水流量毎秒約4・1トンとなっている。赤枠で示した年に取水制限が発生している。
 p2-5について、中下流域における河川水の流量と降水量の経年変化を示しており、赤い枠で囲っているところが、取水制限の発生した年である。表中の年間総雨量に着目いただくと、取水制限が発生した年は、川根本町、島田市ともに降水量が少なくなっている。
 p2-6について、ダム直下の維持放流量であるが、大井川では発電ダム建設が続き、塩郷堰堤下流域では河川の水が流れない状態となっていた。そのため、住民からの強い流況改善の要望により、昭和60年代以降、流況改善が進められてきている。大井川ではダム下流の河川環境の維持等を目的として田代ダム、長島ダム、大井川ダム、塩郷堰堤などで維持放流が実施されている。維持放流量はp2-7の表2.4と図2.3の通りである。渇水が生じた場合には長島ダムから下流域に補給の操作が行われている。
 p2-10について、図2.6にて2013年の取水制限が発生した年の例を示している。上のグラフは長島ダムへの流入量と放流量を時系列で示している。緑色の線がダムからの放流量、青い線がダムへの流入量を示している。また、水色の線が貯水位である。下流域への利水者への補給等のため、流入量を上回る放流がなされていることが分かる。
 p3-1について、水利用の沿革である。大井川の水利用は、農業用水としての利用が始まりで、戦後、国営大井川農業水利事業が実施され、大井川右岸の東遠、中遠地域にも用水が供給されるようになった。また、大井川右岸の牧之原地域では、国営牧之原農業水利事業により、長島ダムから用水が供給されることになった。水力発電については、昭和3年に完成した田代ダムに始まり、電力需要の増大とともに開発が進められている。しかし、水力発電の水利用によって大井川中流域では平常時には河川に水が流れない状態となった。そのため、地域住民から河川の水利権の回復への要望が高まり、地元住民から強い流況改善運動が起こり、その運動の結果、塩郷堰堤や田代ダムからは維持流量の放流が行われることとなった。
 p3-2について、表流水の利用状況である。大井川の水は、発電用水として、繰り返し利用され、下流域においては農業用水、水道用水、工業用水として利用されている。下流域における用途別の河川水利用量は図3.1に示す通りであり、農業用水が毎秒約40トン、水道用水は毎秒約3トン、工業用水は毎秒約2トンとなっている。
 p3-4について、大井川の上流域から下流域にかけて導水路や送水管がどのように配置されているのか、また、下流域において利用されている水はどこから来て、どこから取水されているかについて模式図にしたものである。図の中心部に上から下まで一直線に伸びているのが大井川の本線である。大井川の上流域から下流域にかけて大井川本線とは別に導水管や送水管が設置されており、大井川の水は発電事業に利用されながら下流側の川口発電所に流れて行く。模式図上ではオレンジ色で記した経路が下流域でたどり着いているのが、川口発電所である。川口発電所からの送水による下流域における農業用水、水道用水、工業用水としての配水の状況を緑色で示している。これらの水は川口取水口と新川口取水口から取水されており、その水利権量はp3-5の表3.1の数字にあるように、川口取水口では夏季は毎秒約37トン、冬季は毎秒約16トンである。また、新川口取水口では毎秒約3トンから5トンとなっている。下流域への利水への主な供給源は、導水管や送水管をさかのぼっていくと、上流域にある畑薙第一ダムや井川ダムとなる。
 p3-6について、地下水の利用状況として、地下水は下流部沿線で多く利用されており、主に工業用水、水道用水に利用されている。その利用量は図3.5の通り、工業用水が毎秒約2.3トン、水道用水が毎秒約1・4トンである。また、地下水利用料の経年変化は、その下の図3・6の通りであり、近年は減少傾向である。  p3-8について、静岡県などが実施している地下水位の計測結果であり、計測地点は図3・8に示す通り、大井川下流域では全部で15箇所である。この下の図3.9は各調査箇所における年平均地下水位の経年変化を表したものであり、赤枠は渇水が生じた年であるが、渇水年においても地下水位の変化は見られない。  p3-9以降について、各調査箇所における2008年から2017年までの月別の平均水位を示したものであり、ほぼ安定した水位を保っていると言える。大井川流域の現状についての説明は以上である。
 「当社が実施した水収支解析について(素案)」についてご説明させていただく。表紙裏の目次の通り、本資料は水収支解析を全般的にご理解いただけるように、これまでご説明した内容を含めた構成としている。前回までの会議でいただいたご質問に対応するものとして、初期設定に関しては「2.各種条件設定」、地下水位予測に関しては「4.(3)地下水位(計算上)予測値」に記載している。本日はこの2点についてご説明させていただく。
 p7について、上の図は地下水の動きをモデル化する上で条件設定した地表の被覆区分図である。また、下の図は各種水理定数の設定の前提となる地盤区分図である。
 p8について、地盤区分をトンネル計画線に沿った縦断図で示したものであり、同じ岩種の中でも、更に風化の度合いにより区分している。
 p9について、水収支解析モデルで使用する透水係数や有効間隙率といった水理定数の設定についてである。透水係数や有効間隙率は現地試験結果を基に初期値を設定し、最終的なモデルへの入力値は、河川流量の実測値と予測値の再現性が最も良かった組み合わせとした。表1は現地試験の調査地点と試験項目を示しており、その下の図12は調査地点を地図上で表したものである。地形上の制約もあり、3カ所のボーリング調査結果により、初期値を設定した。
 p10について、ボーリングの深度に応じて9カ所で試験を実施し透水係数を得た。図1 3に深度と透水係数をプロットしている。新鮮岩の初期値としては浅層の風化部、深度60 0メートル付近の破砕質部を除き、赤枠で囲んだ分布となり、これを基に1.0×10-7m/秒を初期値とした。
 p11について、表3は地盤区分と風化度合いによる透水係数初期値の表である。黄色く塗った箇所が前ページで示した現地試験から求めた数値で、これを基準にして、地盤区分、風化度合いに応じて、大きな透水係数を設定した。その下の表4は、河川流量に関する再現性が最も良い組み合わせであり、これを最終的なモデルへの入力値としている。
 p12について、表5は有効間隙率試験の結果の一覧である。
 p13について、図14は深度と有効間隙率をプロットしている。新鮮岩の初期値としては赤枠で囲んだ分布から1%と設定した。表6は、地盤区分と風化度合いによる有効間隙率の表である。黄色く塗った箇所が試験から求めた数値で、これを基準にして地盤区分、風化度合いに応じて大きな有効間隙率を設定した。一番下の表7は河川流量に関する再現性が最も良い組み合わせであり、これを最終的な入力値としている。
 p14について、中部電力・木賊(とくさ)観測所の16年間の観測データから日別に平均した降水量を図15の棒グラフの通り作成した。各メッシュの降水量は気象庁のメッシュ平均値に基づいて各メッシュと木賊が位置するメッシュの降水量比を算出し、図15の降水量に、その降水量比を乗じて算出した。
 p15について、気象庁のメッシュ平年値分布図である。なお、モデル検証において、田代測水所における河川流量の実測値とその上流域にあるメッシュにて算出される降水量を比較すると、算出した降水量が実測流量よりも少ない結果となった。この結果から各メッシュの降水量が過小に計算されていると考えられることから、各メッシュの降水量を補正した。最終的にモデルへ入力する各メッシュの降水量は実測流量に蒸発散量や地下浸透量が加わることを考慮すると、田代測水所よりも上流の流域で約4200ミリの降水量になると推測された。
 p16について、気象庁井川観測所の16年間の気温観測データから日別に平均した気温データを作成した。各メッシュの気温は標高により補正して推定気温データを作成しており、図17の通りである。また、標高区分別の推定気温データを基に標高区分別の蒸発散量を計算したものが図18である。条件設定に関するご説明は以上である。
 p24について、地下水位予測値について説明する。「1)はじめに」について、弊社が行った水収支解析(流量予測)はトンネル工事による水資源への影響の程度を把握し、水資源の環境保全措置を検討することを目的としており、これまで地下水位予測値としては算出していなかった。このたび、工事着手前、トンネル掘削中、トンネル掘削完了後の予測値を算出したが、地下水位はトンネル掘削前の初期値も実測ではなく、計算から導いているため、計算上の地下水位と表記することにする。また、本解析では、浅層地下水、深層地下水といった区分はできず、浅層から深層までを1つの帯水層として仮定をしている。このため、解析結果は大井川上流域の広域的な地下水の動きを把握することには適用性はあるが、沢単位の地下水の分布や変化を精度よく把握することは難しいと考えている。
 次に「2)工事着手前の地下水位(計算上)予測値」について、工事着手前の地下水位は事前解析により求めた。地下水位を地表面とする状態から始め、予測で用いる気象条件を与えて10年間の繰り返し計算を行い、概ね安定した状態の地下水位分布を初期値とした。p 27にお示ししている等高線が工事着手前の初期値である。なお地下水位の初期値はトンネル直上の最も高い地点では、地表面から約350メートル低下し、標高2200メートルになると計算した。
 p25について、工事着手後の予測値についてご説明する。地下水のトンネルへの湧出量は、トンネルから地下水位までの高さに応じて変化する。あるメッシュに着目した場合、トンネル掘削開始後、地下水位は時間の経過とともに徐々に低下し、これに伴いトンネルへの湧出量も徐々に減少する。トンネルへの湧出量と地下への浸透量が均衡した状態で、地下水位は安定した状態になる。
 p28~41について、工事開始後からトンネル掘削完了までの1年毎の低下量、そして、トンネル掘削完了から20年後までの5年ごとの低下量を示す。p28から資料をご覧いただくと、トンネル掘削工事の進捗(しんちょく)とともにトンネル付近から低下域が拡大し、また、低下量が徐々に大きくなっていくことがわかる。p40にお示ししているのが、トンネル掘削完了15年後である。p41には20年後の低下量を示している。この二つを比べるとトンネル掘削完了15年後以降は低下量が収束している。p41のトンネル掘削完了20年後の低下量図をご覧ください。地下水位の低下領域はトンネル周辺の一定範囲に収まる結果となっている。また、低下量が最も大きいのは、山の尾根部であり、これは工事着手前の地下水位がトンネル位置よりも相当高い位置にあり、トンネルへの流出量が流入量と均衡するまで低下するという計算を行っているからである。一方で谷部では、尾根部に比べると工事着手前の地下水位が低く、また、谷部では、沢等から地下への浸透量が多くなることから、大きな低下量は見られない。
 p26について、地下水位低下に伴う沢等の流量減少予測であり、本解析では、トンネル掘削に伴う上流部の沢等の流量変化を精度よく予測することは難しいと考えているが、工事着手前とトンネル掘削完了20年後の流量予測値について、p42の図42で示す。四角の中の数値は、1段目は工事着手前の流量、2段目はトンネル掘削完了20年後の流量の予測値である。地下水位が低下することにより、トンネル周辺における渇水期の沢等の流量が、最大で7割程度減少する結果となっている。なお、トンネルから離れている北俣、また、東俣においては、流量が減少しない結果となっている。上流域の沢等の流量が減少したとしても、トンネル湧水を大井川に戻すことで、大井川中下流域の水資源には影響を生じないようにする。一方で、流量減少が予想される沢等の周辺における生態系への影響は回避することが難しいため、流量モニタリングや代償措置等の環境保全措置を実施していく。なお、実際のトンネル施工においては、吹き付けコンクリート、防水シート、覆工コンクリート等を施工し、トンネル周辺の地山に湧水対策としての薬液注入を行っていくことで、トンネル湧水量は解析値よりも小さくなると考えている。水収支解析に関する説明は以上である。
 資料2「大井川水資源利用への影響回避・低減に向けた取組み(素案)」に戻って、前回資料に一部追記した内容についてご説明する。
 p15について、前回の会議において工事実施段階の取組みで斜坑を掘削しながら、データを取得し、検討を深度化することを説明した。その説明資料として、斜坑(非常用トンネル)沿いの地質縦断図を示したところ、その付近で実施したボーリング調査の結果も反映するとよいとの意見をいただいたので、地質縦断図にボーリングの柱状図を追記した。p15は、千石斜坑の計画線に沿った縦断図に、周辺で実施したボーリングの柱状図を追記している。
 p23について、導水路トンネルの計画線付近のボーリング結果を追記している。
 p26について、畑薙山断層の西側で実施したボーリング結果を追記した。資料2については以上である。
 最後に、資料3-4「第4回有識者会議 補足説明資料」である。大井川上流の沢等の現地状況として、流量計測している際の現地写真を添付した。また、その一部をスクリーンにて映写する。 (スクリーンで映写)大井川上流域の沢等の現地状況として、3カ所ご紹介する。最初は③瀬戸沢で、これは8月の写真である。続いて、11月の写真である。それからもう一つ⑤西小石沢である。それが8月の状況で、続いて11月の状況である。なかなか険しい状況で流速を計測している。最後にもう少し下流の導水路トンネルの近くだが、⑭奥西河内で、8月の流量計測の状況、続いて11月の写真である。説明は以上である。


JRはいろいろ検討した

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 ここまでの説明に関して、委員の皆さまから自由にご質問・ご意見をいただきたいと思う。J R東海からの説明は前回の会議で、委員の方からご質問・ご意見が出たことに対して、いろいろ検討した結果を報告された。それでは、それぞれよろしくお願いする。


多めの降水量、詳しい説明を

 (委員・大東憲二大同大教授)
 資料3-2のp15について、実際の降水量よりちょっと多めの降水量を入れないとモデルで河川流量が再現できないというコメントがあったと思うが、その辺を詳しく説明していただきたい。蒸発散量は計算されていて、地下の浸透量はタンクモデルで一番下にあいた穴から供給しているはずで、このタンクモデルでこれらを差し引いたもので河川流量を計算しているはずなのだが、それで合わないということなのか、その辺の数字を伺いたい。


降水量が過小評価されている

 (二村亨JR東海中央新幹線推進本部次長)
 まずp15について、どこで流量をチェックしたかというと、緑色の丸で示している田代測水所である。ここでは正確に河川の流量が測れるということで、ここの流量が確認できた流量である。そこで、最初に考えた降雨量でこの上流域にあたる流域面積での降水量を全部足したところ、流量よりも降水量が少ないという結果になったので、これは降水量が過小評価されていると考えた。その降水量を計算する時に、流量に蒸発散量を加え、また、地下浸透量を加えたところ、約4200ミリに推定されるということである。


流量に蒸発散量を加えて降水量に

 (委員・大東憲二大同大教授)
 そうすると、流量に蒸発散量などを加えて降水量にしたということか。


流量より降水量が少なかったので補正

 (二村亨JR東海中央新幹線推進本部次長)
 そうである。そもそも、流量と降水量を比べて、その時点で降水量の方が少なくなったので、これは相当に過小評価されているということで補正をした。


タンクモデルでの調整が普通

 (委員・大東憲二大同大教授)
 合わせ方については、降水量は多い時で4000ミリくらいの時もあるみたいなので、それくらいの数字が入ってもいいとは思うが、タンクモデルそのものの穴の大きさとか、むしろそちらの方の調整で河川流量を調整するのが普通のやり方だと思ったのだが。タンクモデルの調整はなかなか大変なので、入力条件としての降水量で調整されたという考え方でよろしいか。



 (二村亨JR東海中央新幹線推進本部次長)
 その通りである。


住民が許容できる水位や水量を示せないか

 (委員・丸井敦尚産業技術総合研究所プロジェクトリーダー)
 今日、資料を見せていただきました。大変細かく説明していただき、ありがとうございました。そこで、この大井川については過去の水量を見ると、全体の3割から4割くらいの年において渇水の影響があり、近くの住民の皆さん大変困っているというお話が一番最初にあったかと思う。その意味で、トンネル湧水が影響を与えてしまうと非常に皆さん心配されるかと思うのだが、今回の検証の中で、先ほど、委員がおっしゃったようなことも含めて、ちょっと言い方が悪いがエクスキューズのようなことがいっぱい書かれており、本当は精緻な計算をすると、もうちょっと中下流域への影響は少ないのではないかと考える、本工事は悪い影響を与えないんじゃないか、というような趣旨のことが端々に書かれているところが見えるので、今、持っていらっしゃるデータをきちんと反映させることによって、例えば、透水係数だとか、間隙率のデータがあったが、トンネル周辺のグラウトやシールドによって透水係数や間隙率を落とすことができれば、大井川に与える影響が少なくなるんじゃないかと思うし、そうであれば住民の皆さんももっと安心できるのではないかと思う。
 今回の計算は、トンネル工事をする上で、ポンプをどれくらい設置すればよいだとか、釜場をどれくらいの大きさにすればいいだとかということを考える際には安全に沿った計算として良いと思う。しかしながら、現実的に水位をどこまで下げてしまったら危ないから、どこまでの水量だったら許容できるけど、どこからは住民が許容できない水量なのか、というところの臨界値をお示しいただくということができないのか、そこをまず伺いたい。
 それからもう1点、資料3-2のp26になるが、トンネルの湧水を大井川に戻すことで中下流域の水資源は確保されている、というようなことが結論のところの一つに書いてある。上流域と中下流域の地下水について、上流域はトンネルを掘ったことによって水量が減った分を戻せば良い、中下流域については大井川から供給されているものであるから、上流域の水量を確保しておけば中下流域には影響ないと説明したいということだと考える。そうだとすれば、最初の現況の説明のところにあったような、大井川の水量と周辺の地下水の水位の比較などをお示しいただき、近隣の住民や農業をやっていらっしゃる方が心配しなくて良いようなご説明を今後していただけるかどうか。この2点についてまず伺いたい。


上流と下流の地下水の連続性はない

 (二村亨JR東海中央新幹線推進本部次長)
 最初の条件設定は、おっしゃるように、我々はこの水収支解析の目的が、施設計画を策定する上だということで安全側に考えた条件設定にしている。その結果、トンネル湧水量もかなり大きめに出るようにやっている。確かに、この数字が出ることによって下流域の皆さま方の不安が広がっている、というようなことはあるのかもしれないが、今度は逆にどれくらいに設定すれば良いのかというのがなかなか難しいところであり、そういう意味では、今は施設計画を作る上では、まずはこういうことでやらせていただいた、ということである。
それから、2点目の地下水の連続性みたいな話であるが、これは広域的に見れば、我々も上流域と下流域の地下水の連続性はないというように考えているので、それは資料の中で載せるようにしていきたいと思っている。


中下流域の話は別途の議論では

 (委員・森下祐一静岡大客員教授)
 今の話で出た中下流域の話について、これは水の戻し方と並んで重要事項として挙げられていると思っており、私の理解ではそれは別途議論するということかな、と思っていたのだが、その議論の仕方はどのようにされるのか。


下流域の水利用や上流域の沢への影響を議論

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 私は、今回は水資源の話をしっかりやろうと思っている。要するに、下流域の水利用の面で問題が生じないのか、上流域の生態系も含めて、沢等の水量に影響が生じないか。もう一つ言えば、前回、委員から問題提起があった山梨側に抜ける水量問題。そういうことで当初、事務局からも水資源としての問題を今回まず集中して議論してほしい、有識者会議もそれを合意してスタートしている。そういうことであり、また前回の会議で、丸井委員より大井川流域及び大井川中下流の水利用問題をJR東海はどう考えているのか考えを示してほしい、という重要なご意見をいただいたので、私の方からもそこはしっかりと検討して提示するように指示をした。


上流域と中下流域の連結性は議論するのか

 (委員・森下祐一静岡大客員教授)
 そうすると、ちらっと出た上流域と中下流域の相関関係というか、連結性について、議論しなければいけないと思うが、それはまだされていない。今ここでするものなのか、それはまたそれで後でということか。


今回の資料の中で議論を

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 私としては、今回のこの資料の中で、そこが議論できるのであれば、やっていただきたい。


データが出る前に結論はいかがなものか

 (委員・森下祐一静岡大客員教授)
 その話は、静岡県の専門部会でも出てきていて、「上流域の話は中下流域には影響しない」ということを言われたわけだが、影響しないのであれば、しない根拠をしっかりお示しいただく必要がある。上流から中下流域を全部含めた水系で考える、ということをしていただいて、これは本当に上流の問題だと、中下流域には影響しないんだということを、科学的に今検証しているわけですから。「そうじゃないんだ」ということではなく、これこれこういう根拠で上流域での問題は中下流域では影響しない、ということをやらないといけないと思っている。したがって、そういう根拠を出していただくということが非常に重要だと、私は思う。要するに、これまでの議論では、川に戻せば中下流域に関しては川から地下水に供給されるので、というお話だが、別途これまでの資料で、例えば、河川水の酸素・水素同位体比をこれから測って、涵養標高(表流水が地下に染み込む高さ)を求めようだとか、そういうこともされるということを表明されているので、そういういろんなデータが出る前に何か結論めいたものをおっしゃるのはいかがなものかな、と私は思っている


他の委員はどう考えるか

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 ただ今の森下委員のご意見に対して、他の委員は本日用意された資料を見ていただいてどのようにお考えになるか。


上流の地下水は1回河川に出ている

 (委員・徳永朋祥東大教授)
 今、森下委員がおっしゃられた件に関して、山の方が地下水の水位は高くて、下流に行くと低くなっていくということなので、その動水勾配がゼロではないということで、上流の水が下流に行っていないということではないというのはそのとおりだと思う。一方で、前回も申し上げたが、ここで想定されている透水係数の値が10-7m/秒くらいであると。それはそんなに悪い推定ではないだろうと思うとすれば、その透水係数の値で上流から下流に地下水が地下を通って下流に流れていくためには、多分、勾配が足りない。静岡県の山は非常に高いですが、地下を通っていくという観点から、そちらが、それなりに量が多いと考えるとすると勾配がもっと大きくないと水が流れないということだと思う。今日いただいた計算結果を見させていただくと、掘削を始める前の地下水面が書かれていると思う。それを見ると地下水のコンター(等高線)が地形にそれなりに沿っていて、川のところがコンターが深くなっているということに計算上なっているので、地下水が川に向かって出て行くような水頭の分布をしているということを、少なくとも計算は言っている、ということになると考える。従って、最初に申し上げたような透水係数そのものが持つ大きさと地形の標高の関係と海岸からの距離、そういうものから見た地下水の全体としての流れのイメージと計算から見ているものから見ると、地下水のそれなりの量は1回河川に出て行っていると考えるのが適切ではないかと私は判断している。この辺り、地下水の専門の委員のご意見も聞いていただきたい。


上流から下流、表流水と地下水を合わせた推計を

 (委員・森下祐一静岡大客員教授)
 そのようなお話になるとは思うが、それを何か定量的に示すことはできないだろうかということ。例えば、上流で、モデルでこうなっていますというような、上流、中流、下流を全て合わせた大井川水系として、河川水、表流水と地下水と合わせた系で水の収支をある程度推計するということはできないものなのか。


上流地下水の影響は広めに見てこの範囲

 (委員・徳永朋祥東大教授)
 やると言えばできると思うが、私が今申し上げたのは、例えば、この計算に基づいて考えたとして、それとその場の状況を考えた時に、今、委員がおっしゃった、定量的なことを言わないと話ができないかどうかというと、地下水の多くは一回河川に出て、もう一回扇状地のところから入っていっているだろうというようなことを考える中で、掘削をした時にどういう影響が出るかというのをどういうふうに観測できますかというふうに議論をしていく方が、次に何を見ておけばいいかというようなことが議論しやすい気がする。今おっしゃったようなことを本当にきちっとやろうとすると、例えば、地下の物性分布などがきちっと分かっていないと、モデルの箱はでき、結果も出てくるけれども、それがどれくらいの不確実性を持つかという幅が議論できないので、数量的には議論できるけれども定量的に行くかどうかというところがなかなかうまくいかないんじゃないかという感覚。そういう意味で、今申し上げたようなことと、それから掘削時の影響範囲を見た時に、影響範囲が十分に小さいところが、トンネルを掘削したところの南のところでほぼ0になる場所というのも、これくらいの位置までですということが示されているので、その影響範囲の中は、先ほど、JR東海がおっしゃったように、例えば沢の上流は枯れるかもしれませんというのはきっとその通りだと思うし、そういうところは、広めに見てこの範囲であり、それよりも南側というのは地下水に関しては、影響は見えるよりも少ないということではないかと考えることは、それなりに合理性はあるかなと私は思っている。


根拠を示すのが大事

 (委員・森下祐一静岡大客員教授)
 そのようなことは、実は県の専門部会(有識者会議)でJR東海の方から説明はされたが、ただその根拠、影響ありませんよと言われて、それを信じていいものかどうかという根拠をある程度示していただくというのは大事かなというふうに思ってお尋ねした。


計算で100キロ南の影響は想定されなさそう

 (委員・徳永朋祥東大教授)
 そういう意味で言うと、今回、地下水の影響が出る範囲というのをマップに描いていただいて、それがどこまで南に広がっているのですかということを明確に見せてくださったことは、我々が議論する上で、非常に議論がしやすくて、それがやはり100キロくらい南の岩盤の地下水に影響を与えるということは、少なくともこの計算では想定されなさそうであるということは、ある種、議論を進める上での必要な情報かというふうに考える。



 (座長・福岡捷二中央大教授)
 今言われた図はどれか。


JRの持つ情報ではこの領域

 (委員・徳永朋祥東大教授)
 最初に申し上げたp27の地下水面の等高線の形と河川との関係を見ると、地下水が河川に流れていくという、流出するというような場になっているということを、少なくとも計算は強く示唆しているというのがこの図が言っていることだと思う。もう一つ、影響範囲の話は、例えば図41のように、青で塗っているところだが、それがどの幅まで広がっているかというようなことが明確に示されているので、これは計算上なので、JR東海さんとしてはこれがこれよりも少ない、狭い範囲になるだろうということをおっしゃっているが、今の持っている情報では、これくらいの領域から考え始めるという意味では、情報を持っている結果かなと私が考えたということである。


中下流と上流の関連性の説明を丁寧に

 (委員・丸井敦尚産業技術総合研究所プロジェクトリーダー)
 徳永委員がおっしゃるように、地下水面の勾配とか地形を比較してというのは非常に良いキーワードになっていると思うので、そこに注目するというのは大事だと思う。それから、先ほどJR東海の説明の中で、同位体での検証というようなことを一言おっしゃっていたが、森下委員がおっしゃるように酸素・水素の同位体比だったりとか、あるいは地下を流れてきた水の中で、H-CO3の成分が増加するとか、過去の経験値でいろいろ分かっているし、例えば、下流域、中流域において、大雨が降った時に川の水量が増えるタイミングと地下水が上昇するタイミングがどれだけずれているかとか、局地的な地下水の流動や、あるいは供給源の判別はできる。厳密に言えば、バックグラウンドデータをしっかり取っておいていただければ、ゆくゆくの判定には役立つと思っている。それもあり、先ほど、中流域、下流域と上流域の関連性をもうちょっと丁寧に説明してくださいとお願いしたつもりである。


同位体比の検討の説明を

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 委員が言われた同位体比で今後検討するということは、どこに書かれているのか。そこの説明を今一度お願いしたい。


表流水と地下水の関係調査は着手済み

 (二村亨JR東海中央新幹線推進本部次長)
 本日の資料2のp9になる。このバックグラウンドデータの収集を始めている、という章の説明なのだが、そこでp9の2ポツのところで、トンネルを掘削する大井川上流域と中下流域の河川表流水と地下水の関係性を把握するため、この内容について調査をいたします、既に一部については着手をしております、ということで前回ご説明させていただいた。


表流水と地下水の流れの確認にデータは大事

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 このようなデータが今後、流域の表流水、地下水の流れを確認していく上で大事になるというご意見、説明であったかと思う。


ほとんど影響ない感覚だが数字が必要

 (委員・大東憲二大同大教授)
 中下流部の話が出ていたが、上流域と中下流域を一緒にして水収支を考えるというのは、ちょっと無理があるというような気がする。当然、地下水の利用と河川水の利用の事情は全く違う。むしろ、中下流域で今回いろいろな井戸の利用とか廃止とかがだいぶ書いてあるが、JR 東海ではなく静岡県か国交省がやるのかは分からないが、そこの現状の水収支の実態というのをまずあらかじめ計算しておいて、人工的なものも含めて水の入りはどうなっているのかを明らかにする必要がある。それにより、大井川の流量や湧水として入ってくる量が、仮にトンネルの影響で減った時に、全体の水収支にどのような影響を及ぼすかを定量的に見ることができる。トンネルから離れているから影響ないとは思うのですが、仮に地下水の流入量が少し減るようなことがあった時に、全体の水収支にどんな影響を及ぼすかを押さえておいて、本当にトンネルの影響が中下流域で使っている水の利用に影響があるのかないのかを見るといいと思う。感覚的には、ほとんどないだろうという感覚を持っているが、そのような数字を示すことが必要であると思う。
 資料3-2のp41で、このトンネル掘削の影響がだいたいこれくらいのところまで見積もれるだろうという、計算が出たということが、この会議の中での大きい成果というか、認識が新たになったと思う。そこで、これは先ほど、いろんなものを設備設計する時に、最大これくらいのトンネル湧水量が発生するという前提で使われたということで、前提はそれでいいとして、じゃあ実際はどうなの、という意見が先ほども出ていた。私も以前お配りした資料の中にも、30年以上前に同様な計算を行った時には、JR(国鉄)さんもNEXCO(日本道路公団)さんもたくさんトンネルを掘られていて、そのトンネルを掘り終わった時からだんだん流量が低減して、恒常湧水量に落ち着いた時のその割合みたいなものを、現場を経験された方の感覚的なコメントとして伺ったことがある。トンネル湧水量がピークだった時のだいたい3分の1くらいで定常状態に落ち着きますよ、というような話を伺ったころがあるので、その流量を設定してシミュレーションの中に入れた経験がある。素掘り状態で掘った時に、出てくるトンネル湧水量のだいたい3分の1くらいを恒常湧水量として入れてやると、外れたりはもちろんするが、比較的に現実に近い水位低下の状況とか河川流量の変化の状況というのが計算されてくるのではないかと思う。これは正解ではないが、仮に、そういう前提でトンネル湧水量を入れると現実に近い水位低下の状況が出てくるだろうなということである。p41に示してあるように、トンネルが素掘り状態で地下水位が低下していくと、地表面に河川の水面があるブロックが低下域に入ってしまうと、計算上、そこの部分は沢が見かけ上、枯れてしまって、下流域でまた復活するというような計算になっているはずである。ですから、もし計算でそのようなブロックが出てきたのであれば、そこは重点的にモニタリングすべきだろうと思う。モニタリングの話になるが、この計算結果を使ってモニタリング計画を立てるとしたら、そういう場所を重点的に測っておく必要がある。そして、先ほど言ったように、トンネル湧水量を少し減らした時に本当にここが枯れるのか、あるいは枯れないまま残っているのか、というものが見えてくる。それでもやはりモニタリングの重要ポイントであることには変わりはないと思う。
 本坑の土被り(地表からトンネルまでの深さ)は大井川のところで大体350メートルくらいであるが、その350メートル下でトンネルを掘った時に、地表面付近に影響が及ぶかというと、よっぽど断層破砕帯が連なっているか、よっぽど透水性のいい地層が連なっていない限りは、ほとんど影響ないと思う。
 ちょっと話がそれるかもしれないが、あの斜坑のところでは大井川の下80メートルくらいの土被りで、トンネルを抜くことになると思う。私はどっちかというとそちらの方を心配しており、むしろその斜坑工事の時に大井川の水を抜くのではないかという懸念がある。それはシミュレーションの中にどこまで現れているのかなと見ていたのだが、ちょっと読み切れなかった。その辺りを、もしお分かりであればコメントいただければと思う。


千石斜坑と大井川の交差部近くでコアを採取

 (二村亨JR東海中央新幹線推進本部次長)
 千石斜坑を掘った時に大井川の交差部で水を引くのではないかというところについては、我々も地質調査が十分できていない状況ではあるが、本日ご説明した資料2のp15が斜坑の縦断図であり、大井川と交差するところ付近で鉛直ボーリングをやっている。本日この柱状図といいますか、岩盤区分しかお示ししていないので、もう少しデータをお示しする必要があるとは思うが、ここで取れたコア(円柱状の地質試料)とか、コアの採取率とかこの付近でやった弾性波探査、もちろん局所的な結果ではあるが、それを見る限りは、比較的いいコアが取れているというような状況である。局所的ではあるが、そのデータからは大量に水を引くようなものではないのではないかなというふうに考えている。


下流地下水は扇頂から主に入ると考える

 (委員・徳永朋祥東大教授)
 上流側の議論については先ほど、私、申し上げた通り、私自身は考えているということですけども、その上で、そういう考え方で進むとすると、下流側の地下水は扇状地なので、扇頂(扇状地の頂点)のところから主に入っていくのだろうと、まず第一義的に考える。静岡県さんがおやりになられている同位体のデータが一部公表されているかと思うが、それも河川水に非常に近い性質を持っている同位体の特性があるというようなレポートになっていたと考える。
 そうすると、大井川の扇頂のところの流況が安定しているということが、下流側の地下水が安定しているということに対して極めて重要だと考えるわけだが、そういう時に、この資料3-1の表2-2というものがある。神座地点の実績流量だが、これを見ると、これは表流水のことをよく分かっている委員に教えていただきたいが、様々、年によってバラバラしている、ということであるが、最小のところをこの10年くらい見ると、毎秒3トンを超えるような水が常に流れている、すなわち、最少は「365日で一番少ない時」だと理解しているので、こういうふうに流れている川だということである。それが、どういうプロセスで、最少の流量になっているかということを理解しておかないと、川の上流側の水が増えました、減りましたということが、どういうふうに影響するのか、ということを議論しにくいと思うので、その辺りのことを整理しておきたい。私は地下水のことしか分からない。


扇状地に出る所は表流水が維持されている

 (委員・沖大幹東大教授)
 まず表流水の前に、地下水の話であるが、p41の地下水位の計算上の低下量図というのは、こういうのが出てくると、私たちはどれくらい自分たちの便利さのために、自然の水循環に手を加えているかが分かるような気がする。他方、上流と下流はつながっているのか、という点について、ないことを証明するのは難しいと理解はできるが、例えば、これは田代ダムの上流の非常に狭いところの計算だと思うのだが、もう少し下流の方まで広げていただいて、その上で、こうした地下水位が1メートル低下する範囲がここまである、あるいはその範囲をプロットしていただいて、距離が10キロ離れると、これくらい影響が小さくなる、あるいは影響が減りますというのを描いていただければ、100キロ下流だと、もうこのくらいの影響であれば見えないな、というのがはっきりして、そういうものかと納得されるのではないかと思う。ただ、もちろん地下の構造は分からない。だから意味がない、ということが委員のご意見かもしれないが、さはさりながら、一応大きめに、トンネル湧水量を見積もった時にこのくらい減るというのをお出しになったわけなので、じゃあそれが10キロ下流のあたりだったらどのくらいの低下なんだと、もし計算するのに2年かかるとかいうのなら意見を撤回しますけども、もし可能であったら、そういうものをお見せになると、今回示された結果だけだとこんなにあるのかと思われる方もいると思うので、計算のフィージビリティ(実現性)だけでも検討されてはどうかなという気が私としてはしている。
 徳永委員がおっしゃった話ですけども、資料3-1のまずp2-1の表2-1を見ますと、取水制限がこんなに頻繁にあるということで、「日本は水が豊かで、水で困ることはない、まあ洪水で困ってるくらいだ」という方が多いわけですが、実はこれだけ頻繁に取水制限が起こっているということは、農家の方、あるいは水道局などが取水を自主的に減らして、長い間、水を使えるようにしている、水道水の断水にはならなかったとしても、苦労しているということである。そのようなことは、改めて、まずできる限り理解した方がいいのではないかと思う。その上で、徳永委員のご指摘の表2-2の神座の実績流量についてだが、やっぱり考えるべきは、この大井川は人間の手によって操作されている川である、ということである。
 まず、1987~88年にかけて欠測になっていますが、この頃、塩郷堰堤からの放流をめぐって地元の要望が高まり、一定量が放流されるようになって、1990年くらいからは最小流量も安定して毎秒3トンが確保されている。2002年の長島ダム竣工のために、その前、数年は欠測になっているようではある。ダム完成後は渇水流量、1年のうち355日は確保されている流量も毎秒4トン以上ということで、神座地点の流量は長島ダムなどによって維持されているというのがよく分かるかなというふうに思う。そうした時に、先ほど、どこかで説明があった気がするが、その先のp2-10に2013年の渇水の時の様子がある。表流水についてあまりご存じない方に念のために説明すると、くねくねしている折れ線が流量であり、横に割と一定を保っているのが常時満水位という一番上の水位と一番下の水位。そして、なだらかに変化しているのが貯水位である。そうすると、4月の始めから6月15日にかけて、貯水位がぐっと下げられているかと思う。水資源の観点から言うと、もったいないことではあるが、これは洪水に備えて、洪水期の6月15日から10月15日までは、この水位に下げますということが多分決められていて、水は大事なんだけど水位を下げて洪水に備えているわけである。もったいなかったな、というと9月と10月に1回ずつ洪水が来て、9月の時は放流量が緑色で、後半は流入量と重なっていると思われるが、これはちょっと前に流入したものは全部ためており、その後の分はたぶん全部放流したのだと思われる。そうすると、今度10月になった時は貯留をして、また水位を戻しているということになる。今年から多目的ダムの利水容量を使って洪水をためるということが始まっていますけれども、ここでためている水によって最小の流量が維持されているというのが分かる気がする。そういう意味では、ここでp3-4を見ていただくと、これがなかなか衝撃的であるが、先ほどから議論している神座の流量に関して、流域面積が神座の地点でも1160平方キロあるのだが、そこで、その渇水流量は毎秒4トンはちょっと少なめかなと。降水量4000ミリと言っている中では少なすぎかなと思ったが、よく見ると、この上の塩郷堰堤のところで大量に取水されており、そこに毎秒3~5トンと書かれてあるのは、ここから下流に流す水の量で、それ以外は全部発電量に迂回(うかい)されているわけである。つまり、結局、長島ダムで下流に必要な分を放流して、塩郷堰堤で毎秒3~5トン流して、神座はこれまだ扇状地の上の所であるから、扇状地に出る所は年間通じて維持できるようになっているというのが大井川下流域の水の状態である、というふうに思う。
 水資源が大丈夫か、というご心配はよく分かるが、もう一つ資料を見ていて最近の傾向かなと思ったのは、p3-6の地下水利用である。これがたぶん、下流域の皆さんの水利用の合理化の努力のおかげだと思うが、1980年頃のピーク時と比べて、くみ上げ量が一日の値で毎秒15万トンくらい減っている。15万トンというのは流量に直すと毎秒2トン弱、毎秒1・7トンくらいになるのだと思うが、ちょうどそのぐらい水利用も減っているということで、JRは全量戻すと言っているが、水利用の方は少なくとも地下水の方は毎秒2トン弱ぐらい減っているということが読み取れる。気候変動などもあるので、心配がないということではない。しかしながら、全体としてこうした事情を総合的に考えると、今のところは、洪水対策をして、苦労をしているけれども、水利用に関して今と大きく変わらないのではないか、あるいはコントロールできるのではないか、と思う。ただ、それが本当かと言うと、例えば上流からの流量が毎秒1トン減った時に、ダムの運用を考えて、本当に下流に毎秒3トンや5トンなどを維持できるのか、そういう仮想的なシミュレーションをすると、なおさら納得感があるかなという気がする。表流水に関してはそういうシミュレーション、物理的じゃなくて本当に水の足し引きだけではあるが、そういうことができるとなるほどと確認できるのではないか。


取水制限と地下水位の関係は

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 表2-2というのは、静岡県がとられたデータだと思うが。資料3-1のp3-8の地下水位が変わらないということについてはどうか。


渇水時の影響は地下水に現れていない

 (委員・沖大幹東大教授)
 JR東海が説明されたことなので、あまり繰り返す必要はないと思うが、取水制限が発生したような渇水時にもあまり減っていないということ。取水制限が発生する年は、実は全国的に川の水が取れないので、地下水を取ろうとするユーザーが増えるが、そのような方がもし多かったとしても、その影響は地下水位には現れていない、ということではないかと考えている。



 (座長・福岡捷二中央大教授)
 そういう特徴を持つ川であるということかと思う。


計算結果を下流側にも示して

 (委員・徳永朋祥東大教授)
 我々は河川流量だとか、河川の水位だとかを河川の境界条件にとして考えることがある。その境界条件について、どのように下流側を考えればよいのかについて、大変よく整理していただいたかなと思う。そういう条件が満たされているような形で、上流側で工事をするということができるということを言っていただくということが非常に重要かと思う。その時にどういうことを観測しておけば、適切に考えているとJR東海として説明できるということを示すことで理解が深まってくるのではと思う。
 計算結果を下流側についても示すことは、よく理解していただくためには、是非やっていただきたいと思う。南側の境界を河川で切っておられるので、そこまで水位が下がらない計算になっているということは、それよりも下流側の地下水にはそれほど影響はないだろうと直感的には思うが、その辺りをきちんと示していただくということができれば、懸念を持っている人たちに、どの辺りまで影響があると考えますかという計算、今、している、持っている計算、例えば、境界条件を取るという意味での影響をどういうふうに考えますかということが伝えられるので、それは少しやってみていただければと思う。


平均水位ではなく低水位が問題の一つ

 (委員・丸井敦尚産業技術総合研究所プロジェクトリーダー)
 今、沖委員や徳永委員がご説明されたように、大局的な見方ということはおっしゃる通りだと私も思う。ただ、住民の立場からすると、平均水位ではなく、水位が下がった時にどれくらいの水位になるのかということも問題の一つであると思う。前回の会議の中で、丁寧に分かりやすく説明するということが一つのテーマにあったかと思うが、水の流れを示すということももちろん大事ではあるが、許容できる影響なのか、それとも困ってしまうのかという影響の範囲についても考えて、低水位のところの話についても合わせてJR東海には考えていただきたいと思う。



 (座長・福岡捷二中央大教授)
 話を十分に捉えられなかったが、水位が下がるというのは川の水位が下がるということか。


地下水位が下がる理由の説明を

 (委員・丸井敦尚産業技術総合研究所プロジェクトリーダー)
 地下水の水位である。地下水のほとんどが農業用水であるが、例えば、トンネル工事を行って低水位になって川の流量が多少減ったとしても、この地域の降水量は変わらないので、降水によって地下水が維持されているため低水位になっても影響がない、ということが言えれば非常に安心できると思うし、逆であれば困ることになる。極端な例示かもしれないが、地下水の水位が下がる理由などについても、全体の流れと合わせてご説明いただければと思う。



 (座長・福岡捷二中央大教授)
 平均で書かれているから、変動しているだろうということか。


丸井委員の話がよく理解できていない

 (沢田尚夫JR東海中央新幹線推進本部副本部長)
 丸井委員のおっしゃったことがよく理解できていないが、資料3-1の図3.9において、2008年から10年間の各地の地下水位の平均水位を書いており、取水制限の発生についても記載しているが、我々の説明は、取水制限があった年と地下水位の変動というのはあまり相関がないということを申し上げている。先ほど、委員がご指摘された見せ方については、どのようなことをすれば良いのかが理解できていないので、もう少し教えていただきたい。


大井川の表流水が涵養する地下水はどこまでか

 (委員・丸井敦尚産業技術総合研究所プロジェクトリーダー)
 ありがとうございます。図3.9は年平均の地下水位の推移であり、おっしゃる通りでそれほど影響はないが、例えば、2009年に関しては極端に下がったところもあるが、取水制限の対象とはなっていなかった。大井川の取水制限と地下水の水位については直接の関係はないというのがこの図の趣旨であるかと思う。例えば、大井川の水量が減ったからといって、地下水の水位が下がらないというところはおっしゃる通りではあるが、この地域の地下水は降水によって涵養されているのではないかとか、先ほど、同位体の話もあったが、降水が涵養している地下水の割合と大井川が涵養している地下水の割合、あるいは大井川が直接涵養している川のごく周辺の危なくなるエリアがどこまでかなどがしっかりと分かってくると、地域の住民の方々が安心するではないかと思う。
 もう1点は、年によっては、降水量が減って地下水の水位が下がった年もあるので、地下水の水位が下がった時に大井川の水位も下がっていたのかどうなのかということも、大きな問題としてある。計算降水量によると、上流部では4000ミリを超えるような雨が降っているということだが、大井川と中下流域の地下水との関係、あるいは大井川近隣と大井川からある程度離れた所の地下水との関係というものが、もう少し具体的に分かっていると、安心できる方もいる。本当に危険な際には水を準備しておかなければならない方がいることもはっきりと分かる。住民の方が安心できるようにということで、概略ではあるが申し上げた次第である。


データに基づいて関係調べて

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 データ。かなりデータに基づいて。計算で取るというかデータですよね。地下水、河川水のデータがあれば、どういう相関関係か。特に、静岡県はそのようなデータを取得されているかと思うので、そういうものも使ってもう少し今のご指摘について調べられると良い。


降水量との関係をもう少し分析

 (沢田尚夫JR東海中央新幹線推進本部副本部長)
 承知した。地下水のデータもいくらかあるので、降水量との関係についてももう少し分析の仕方であるとか見せ方であるとかを考えてみたいと思う。その中で成分分析もやっていくので、そういった結果も合わせながら、住民の方への説明ということを意識しながら資料を作っていきたいと思う。


リスクの問題がある

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 丸井委員の言われたこと。私もそうかなと聞いていたのは、やはりリスクの問題があるだろうと。そういう平均的な水の止め方とか、あまり変わらないとか、大丈夫だとか。だいたいいいが、そうでない極端な状態がどうなのだろうか、というのは市民感情としてあるのではないか。よく調べてほしい。


参考文献の紹介は可能

 (委員・丸井敦尚産業技術総合研究所プロジェクトリーダー)
 もし許されるのなら参考文献などを個人的に紹介することも可能である。



 (座長・福岡捷二中央大教授)
 お願いしたい。


地下水の変化はくみ上げ量もセットで見て

 (委員・大東憲二大同大教授)
 資料3-1のp3-9以降については、年平均の後に月別のグラフが並んでいるが、急激に変化しているものが時々ある。例えば、p3-11の2017年については、7~8月のところで水位が下がっているが、これは恐らく取水制限がかかった年であり、地下水の汲み上げがあったために下がったものではないかと思われる。このように地下水位の変位を見る際には地下水の使用量、くみ上げ量についてもセットで見ないといけない。どういう条件で水位が変動するかということについては分析しておかなければ、それが気象条件なのか、人為的なくみ上げなのか、あるいは周辺の掘削工事の影響なのかが分からない。そういったことをセットで見ておかなければ、説明が付かない時もある。そこには注意していただきたい。


データの解釈上重要だ

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 ご指摘の点は、データの解釈上重要であるので、変化の原因を調べ、委員からのご指摘と合わせて、検討してください。


地下水位下げる対策と流量予測の関連性は

 (委員・森下祐一静岡大客員教授)
 今の議論からは離れるが、本日資料の中心は、水収支解析による地下水の低下予測であるが、それに関連してお尋ねしたいのが資料2のp27の薬液注入の話である。「薬液注入によるトンネル湧水量の低減には限界があり、トンネル掘削を安全に進めるには、トンネル周辺の地下水位を下げる対策をとる必要がある場合もあると考えている」と記載があるが、これらを具体的に説明してほしい。併せて、水収支解析(流量予測)との関連性についても説明をお願いしたい。


地下水位下げる対策を含め流量予測は平均値

 (二村亨JR東海中央新幹線推進本部次長)
 p27の地下水位を下げる対策について、具体的には、地下水位が高いと高圧湧水が出てくるので、それでは先進坑が前に進めない時は、先進坑から迂回(うかい)して迂回坑のようなものを作り、そこから水を流すような対策を取らざるをえないと考えている。その際に、水収支解析の値とどう関係するかについては、水収支解析は一定の条件で行っており、先進坑を掘った時に各工程でこれくらい湧水がでるとは想定しているが、あくまで標準的というか、トンネルを掘る時にトンネル湧水が出るであろうと一定の条件で予測をしているので、多い時もあれば少ない時もある。トータルで見て平均すると今の数値になっているという理解だ。日々の湧水量を見れば、ある時は多いかもしれないし、ある時は少ないかもしれない。トータルとして平均的な値となるであろうと予測している。



 (委員・森下祐一静岡大客員教授)
 分かりました。


広域な地下水位変化の検討はできるか

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 先ほど、森下委員からもっと広域で地下水位変化の範囲を考えるべきとの話があったが、沖委員から、もう少し南側の境界の下流5キロ~10キロ程度離れた距離での地下水位分布がどうなるのかを検討してもらえれば、大体トンネル掘削の地下水位に及ぼしている範囲がわかる可能性があるとの意見をいただいた。この意見に対して、徳永委員からもそれは検討するべきであるとの発言があったが、この検討に2年かかるのは問題だけれどもということが議論の中であったが、それはやれるのか。


見せ方を指導していただきたい

 (沢田尚夫JR東海中央新幹線推進本部副本部長)
 見せ方やまとめ方をご指導いただきたいと思い聞いていたが、今の解析範囲の中で地下水の低下は全て出ている。今回の資料で全部見せており、色がついていない部分が下がっていない部分である。そのトンネルからモデルの南限まで、どのような下がり方をしているかは出せるので、それを整理していく中で、その先を例えば推定するなど、そのようなやり方でもよいのか。



 (委員・沖大幹東大教授)
 資料3-2のp41の図で、20年後を想定しているが、外枠の部分が解析範囲ということか。



 (JR東海・澤田副本部長)
 各図の下の方に、黒い角張った線があるが、これが解析範囲である。


信じない人は信じない

 (委員・沖大幹東大教授)
 そうだとすると、5メートル地下水位低下の範囲までしか等値線を引いていないので、1メートル下がる範囲がどこまでか、が不明であり、下流域でも何メートルか地下水が低下するかもしれないと、心配なのではないか。それを解消するには、より分解能を落としてでも、より広い範囲で分析した方が安心なのではないか、と森下委員は発言しており、私もそう思う。ただ、時間がかかって大変であることになると、解析範囲を点で結んでやることが次回まででできる範囲だと思う。広域をより粗い解像度で行い、どこまで地下水の低下が来るか一応計算したらこのようになると示した方が、信じない人は信じないかもしれないが、皆の前でそこまで言ったなら分かったということになるのではと思う。


今のJRの計算結果でできる

 (委員・徳永朋祥東大教授)
 今のこと。新しい計算の前にやれることがあると思うのは、例えば、南北方向の断面を取り、掘削を始めた後、年が経つに連れて、どのように水位の形が変わって、その影響が南に時間とともにどのように広がっていくのかという計算になっているかということと、時間が十分に経つと新しい定常に近づくので、その変化が小さくなるはずである。それが今の計算の結果でどうなっているかは、新しい計算をしなくとも、今の計算結果から出せるはずである。それを見た時に南側がやはり気持ち悪いということであれば、さらに南側をどう考えるかの見解をいただく必要もあるし、そのために必要な検討をしていただかなければならないとなるが、今の段階で、例えば、私が申し上げたようなことは、JR東海の持っている計算結果でできるので、それを見せていただいて、今、JR東海が考えていることで考えるとすると、それなりの議論をできる情報は提供いただけると考える。


徳永委員の内容ならできる

 (沢田尚夫JR東海中央新幹線推進本部副本部長)
 今の徳永委員のご発言を踏まえ、どのような形でやるか検討したい。徳永委員からご意見のあった内容はできると思うので、実施してみて、その結果を見て、先についてどのようにやっていくかはご指導をたまわりたい。


最終的な広がりは定常計算で

 (委員・大東憲二大同大教授)
 今の議論は手持ちの計算結果でどれだけ出せるかである。p41の5メートルの地下水位低下の線があり、それよりも3メートル、2メートルの地下水位低下の線が表示されていないが、境界条件に縛られているように思える。境界条件が水位低下の広がりを抑えている傾向が見えるのであれば、南側に解析範囲を広げてみてもいいと思う。ただし、非定常計算は大変なので、最終的な広がりを見たいのであれば定常計算を行い、時間軸関係なしに、最終的にここまで広がるというデータを出せれば納得いただけると思う。


境界条件に引っ張られている可能性ある

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 よろしいか。境界界条件によって引っ張られている可能性があるので、そこは広げて。今のやった範囲の中でどれだけ、各委員のご意見に答えられるか。次回に向けて検討結果を示していただきたい。


神座の流量維持で十分地下水は供給

 (委員・沖大幹東大教授)
 丸井委員から少ない時が気になるとの話のあった点で、地下水と表流水でどのくらい使っているかというと、地下水は日量30万トン、40万トンなので、毎秒4~5トン相当であるが、資料3-1のp3-5を見ると夏の多い時はたくさん使っていて、毎秒40トンで表流水の方が10倍使っている。少ない時は農業用水は維持だけで流しているとして、工業用水と水道用水として毎秒2~4トンぐらい使っている。つまり、川の方の流している流量が毎秒4トンで、それを迂回して神座の上の塩郷堰堤で取って使っている分が毎秒4トン、神座の下で大きな取水は島田市の浄水場だけで、p3-4にはないが、大井川水系用水現況図の表を見ると、毎秒0・173トンを通年で使っている。神座の流量が維持できているということは、そこに表流水があるので、それが毎秒4トンは最低維持できていて、水面ができているとすると、扇状地にも十分地下水が供給されている、それが維持されているとするとありがたい話である。
一方で、こうした水資源の維持が長島ダムのおかげだとすると、長島ダムの建設で苦労された、お金を出された方は、JR東海は水資源確保についてタダ乗りだと、多少複雑な気持ちを抱くかもしれない。いずれにせよ、水の利用が維持できるかについては、今のところ上流のダムや堰でコントロールできていると、過去の最低の時のデータを見ても思える。


沖委員に相談して説明できるように

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 この辺は沖委員に少し相談して、具体的に説明できるようにしてもらえるか。前回、意見をいただいていた初期条件や計算条件を出すようにと指示した件については、今回出していただいた。いかがですか、森下委員。


新しい解析やデータを示して

 (委員・森下祐一静岡大客員教授)
 現在の解析において、南北断面がどうなっているかを是非お見せいただきたい。計算上の境界条件が影響しているかもしれないこともあるので、範囲を広げることは可能なのか。全く新しい計算ということになるのか。範囲を広げて行うことは必要かと思う。これは、現在のデータだけで説明ぶりだけを変えて納得してもらうことは難しいと考えるからである。新しい解析、データを示すことが重要と考える。どの辺りまで対応できるのか。


次回までに手持ちの解析結果で示す

 (沢田尚夫JR東海中央新幹線推進本部副本部長)
 ご意見ありがとうございます。検討の段階があるので、次回までであれば手持ちの解析結果を使いながら、委員から話のあった境界条件が影響しているかどうかを含めて、近々でできることを示したい。その上で、ご意見をいただき、委員にもう少しここはこういうふうにと。そのように考えている。


踏み込んで解析やデータを示して

 (委員・森下祐一静岡大客員教授)
 是非、次回までに境界条件の評価など、できることをやっていただきたい。もう少し広げてやっていただきたいのは、中下流域の問題はかなり重要な問題だからである。利水者の皆さんが納得するには見せ方を変えるだけでは、そのレベルまで辿り着かないと考えている。もう少し踏み込んでデータや解析を示す必要がある。次回までにやっていただくことと、次回以降にどんなことができるのかを考えていただきたい。


ダムを利用し水位や流量を保つ方向性見えた

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 次回までに、本日出された資料に対する課題に対してJR東海は検討してもらいたい。今日は、大井川流域の現状をJR東海がどうみているか説明していただいて、水利用の面で多くの議論があった。その中で、方向性としては、個々の問題で、例えば、それなりに水位の平均的なものを見る限りにおいては、比較的、水の利用問題は沖委員の言い方をすれば、コントロールされ、ダムをうまく利用して、水位や流量を上手に保っているというような方向性がデータに基づいて見えてきた。その中で、だけど、今度、それが本当かどうかについてはモニタリングをちゃんとする。課題が出てきた時に今後どのようなことをするべきか、しておいた方が良いのかはすごく大事になる。そこはご検討願いたい。それから、少し範囲を広げて、この計算の根拠をもう少し生かしたものにする。それが見えることが一般的に本当だねと言えるのだねと言うためにも、計算範囲を調べるところまでやってほしい。
 もう1点、座長として気にしていることがある。前回か前々回の会議で、沖委員から工事中に山梨県側に水が抜ける点について、これをどう考えるか。全体のボリュームの中でどういう意味があるか。技術的にやむを得ないと言っているが本当か、など重要な課題が提起された。これは水資源問題の一つであり、次回、検討し出していただきたい。それは可能か。


次回にいろいろな観点から話をする

 (宇野護JR東海副社長)
 資料2に一部記載はあるが、非常に重要な部分であるので検討を進めている。次回に、いろいろな観点からの話を盛り込んで、お話させていただきたい。


全量戻しは技術的に可能か

 (委員・沖大幹東大教授)
 施工中もそうだが、JR東海が完成後、湧水量はできるだけ減らすが、出てきたものは全量流域に戻すといっているがそれが本当に技術的に可能なのか。こういう理屈でできます、と示されるのが良いかと思う。


湧水全量戻しは普通のトンネルでも難しい

 (委員・西村和夫東京都立大理事)
 湧水を全量戻すことについて、山梨県側に流れる量を含んで全量戻すと話していたのか、もしくは工事工程から作業に着手する工程が、断層に切羽が入るのが静岡県と山梨県とでどちらが早いか、によって全然違う。今は少なくとも、山梨県側から掘っている方が早い。それによっても変わってくるので、工程が不透明な今の時点では何とも言えない。ボーリングデータの柱状図を縦断図に書いてもらったが、地質は縦断図のようなきれいな構造ではなく複雑な構造であることがわかる。それらを無視して水が完全に止められるかについては、何とも言えない。完全に水を止めることは普通のトンネルでも難しい。だから、必ず多少は出る。それを戻さなければいけないぐらいの影響なのか、不確実性を伴っているので、自然界のことだから、許容の考え方も整理しなければならない。



 (座長・福岡捷二中央大教授)
 その辺も含めて検討をお願いしたい。


南側に領域を広げて計算結果示して

 (委員・大東憲二大同大教授)
 先ほどの南側の境界条件の影響の話について、資料3-2のp6に全体の計算領域がでており、導水路トンネルが南側に延びてきているが、当初は導水路トンネルを想定していなかったのではないかと思う。境界の赤い線に水位固定の条件が入っていれば嫌だと思っていたが、文章からは閉鎖条件となっているので、境界の断面においても水位が下がっている可能性がある。その場合、もっと南側に水位低下の影響が広がる可能性があるとの結果が出てくるので、そのような計算結果が出ているのであれば、少し南側に領域を広げて地下水位が低下する限界が見える計算結果を示す必要がある。固定条件でこれ以上下がらないとまずいし、不透水の条件で境界での水位が下がっていることもまずいので両方チェックをしていただきたい。



 (座長・福岡捷二中央大教授)
 よろしいですか。大東委員にもご相談し検討を進めてください。だいたい、今日は必要な事項が議論されたと思うので、これで、次第を終えたい。事務局に資料4の説明をお願いしたい。


方向性が示されてきている

 (江口秀二国土交通省鉄道局技術審議官)
 今日も熱心にご議論いただきましてありがとうございました。本日は第4回ということで、資料4に記載の議事で議論をさせていただいた。第5回の日時は未定としているが、本日の各委員からの宿題もあるので、JR東海の作業の進捗状況も踏まえて次回の日程は考えたいと思う。 それから、座長から、最後、各委員のまとめとして、今まではどちらかと言うと、JR東海が専門部会(静岡県の有識者会議)でやってきたことを検証し、さらに議論を深めたことや質疑されたことを資料としてまとめ、全体の資料の中で大井川の現況や水収支解析についてJR東海からかなり詳しい説明があった。今後は、JR東海からの説明によって、さらにブラッシュアップしてこの報告書をしっかりしていくことはやらなければならないと思うが、一方で、今、座長がおっしゃったように、ある程度、方向性というか、そういったものが見えてきているということが今日の議論の中で示されてきていると思うので、我々からすると、有識者会議として、こういうような整理ができたということをまとめ、ある程度、中間的なもの、ある程度、整理していくことも必要だと思う。次回は先ほど発言のあったトンネルをどう掘るかなどについて十分議論しないといけない、追加で議論しないといけないが、ある程度まとめていくことも有識者会議として必要であると思うが、その辺、座長はどのようなお考えか


方向性を出すことが必要

 (座長・福岡捷二中央大教授)
 議論しているだけではなくて、方向性を出す。だけど、さらに充当しなければならないことがある。それはやるが、その段階でここは少し進展したということは、まとめとしてやっていく必要はある。


まとめを意識して進めたい

 (江口秀二国土交通省鉄道局技術審議官)
 次回以降、その辺を意識しながら事務局として作業を進めていきたい。いずれにしても、次回の日程等については改めてご案内する。

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