国専門家会議座長の流域説明 静岡県が疑問視【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、静岡県くらし・環境部の織部康宏理事は9日の県議会危機管理くらし環境委員会で、国土交通省専門家会議の福岡捷二座長(中央大教授)が流域10市町に議論の内容を直接説明する方針を示したことについて「専門家会議はあくまでも国交省がJR東海を指導するために必要な議論を行う場」と指摘。「会議の目的に照らして必要なのか判断される」と疑問視した。

静岡県庁
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 質問したふじのくに県民クラブの小長井由雄氏(静岡市葵区)は「(専門家会議の委員が)南アルプスを見ることは必要だと思うが、関係首長に会うのはいかがなものか」と福岡座長を批判した。
 前回会議では、森下祐一委員(静岡大客員教授)が「(座長の方針では)会議が前面に出ていくことになるが、基本的には会議はJRに助言するという位置付けだ。結論を出す前に利水者の心配を知る必要がある」と異論を唱えた。しかし、福岡座長は「議論をまとめた上で地元と意見交換する場を作ってもらいたい。森下氏はまとめに当たって意見を言ってほしい」と聞き入れなかった。
 福岡座長は昨年7月以降、会議後の記者会見を取りやめ、各回の専門家会議後、別室に委員を集めた非公開協議を開いて「座長コメント」をまとめている。これについては県や利水者らが「議論を誘導している」などと批判している。

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