環境影響軽減「実効性を」 静岡県専門部会【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題で、自然環境への影響を検討する静岡県有識者会議「環境保全連絡会議」の生物多様性専門部会は8日、トンネル掘削による上流部での地下水位の低下が動植物に与える影響などを議論した。JR東海が影響を把握する方法を中心に説明したのに対し、委員らからは影響を軽減する実効性ある対策を求める意見が複数出た。

静岡県環境保全連絡会議生物多様性専門部会での主なやりとり
静岡県環境保全連絡会議生物多様性専門部会での主なやりとり

 JRは上流部の地下水位の低下について、静岡市が実施した流量予測の結果から植生などへの影響は限定的だと説明。一方、予測に不確実性があるため、沢や動植物の状況を工事前からモニタリング(観測)するとした。影響が出た場合の対応については、代償措置を講じると述べるにとどめた。
 こうした説明に対し、委員らからは具体策を示すよう求める声が相次いだ。難波喬司副知事は「どのような結果が出たら工事を止めるのか。調査だけして、その結果が生かされていない」と批判。三宅隆委員は「対応を示さないなら、モニタリングの意味はない」と強調した。板井隆彦部会長は「さまざまな保全方法の検討を」と注文を付けた。
 増沢武弘委員は、南アルプスがユネスコエコパークに登録された際の審査では、リニア工事と自然環境の保全が大きな懸念事項だったと指摘し「10年ごとの(エコパークの)見直しでは、必要な対策がきちんと取られているかが重要だ」と強調した。
 このほか、岸本年郎委員は代償措置に対するJRの姿勢が受け身だと指摘。山田久美子委員は説明資料の食物連鎖図の描き方を改善するよう求めた。
 会合後、国土交通省の専門家会議と県専門部会での今後の議論について難波副知事は「国で全体のリスク管理などを議論し、県では具体的な部分を詰めて同時並行で進む」との認識を示した。

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