「工事凍結考えない」 JR東海社長、知事発言に【大井川とリニア】

 JR東海の金子慎社長は20日、名古屋市で開いた定例記者会見で、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、静岡県の川勝平太知事が静岡工区の同トンネル工事の凍結をJRが表明するよう国や同社側に求めていることについて「知事が当社に工事の凍結を宣言すべきだとおっしゃったと伝えられているが、意味が理解しがたく、凍結する考えもない」と述べた。
 金子社長は「流域の皆さんの水利用や環境の心配を解消することが大事で、国の専門家会議で議論してきた。各委員が懸念解消を念頭にリードし、私たちも対応している」と強調した。「市町の首長も地元の懸念解消をきちんとやってくださいということだと思う。県も前提は同じだと思う。理解を得るためにはどういう説明をすればよいかということに思いを致しながら、しっかり説明していきたい」などと考えを示した。
 川勝知事は今月、昨年末に同トンネル工事の凍結をJR東海が表明するよう求める書簡を菅義偉首相に送ったと明らかにした。金子社長にも直接要請する意向も示している。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞