専門家会議初会合、JRが従来主張繰り返す リニア大井川問題

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題で、国土交通省は27日、JR東海を指導するために専門家会議を新設し、初会合をオンラインで開催した。JRは「トンネル湧水が県外に流出しても大井川の水は減らない」という従来の主張を繰り返したが、専門家からは疑問視する声が上がった。

リニア中央新幹線の専門家会議にオンラインでオブザーバー参加する難波喬司副知事=27日午後、県庁
リニア中央新幹線の専門家会議にオンラインでオブザーバー参加する難波喬司副知事=27日午後、県庁
国交省が示した専門家会議の委員構成
国交省が示した専門家会議の委員構成
リニア中央新幹線の専門家会議にオンラインでオブザーバー参加する難波喬司副知事=27日午後、県庁
国交省が示した専門家会議の委員構成

 委員の沖大幹東大教授はJRの流量予測に関し「使える水が増えるという、そんなおいしい話はない。どこかにつけが回る」と指摘し議論を深める必要があるとした。5月中旬に開く次回会合で本格的に協議するという。
 会議は同省の選んだ専門家7人が水資源や生態系に与える工事の影響を回避する方法を議論し、JRに対する指導の方向性を示す。オンラインによる傍聴者は一部に限り、県が求めていた条件「会議の全面公開」は実現しなかった。
 座長に就いた福岡捷二中央大教授(河川工学)は「JRは自らの正当性を主張するだけでなく、委員には建設的な議論を」とあいさつ。水嶋智鉄道局長は「いたずらに時間をかけるわけにはいかない」と早期の結論を求めた。JRの金子慎社長は会議冒頭で「ハイレベルで時間を要する課題が県の提起に含まれ、県から実現しがたい課題が課されている」と発言した。
 県主催の有識者会議ではJRと県の選んだ専門家が対策を協議してきたが、JRが地質データなど情報開示に消極的で、論点外しや曖昧な回答を繰り返したとして委員や県側の反発を招いた。本県側の森下祐一静岡大客員教授は、JRのこれまでの協議姿勢が議論に時間がかかっている理由だと問題視した。
 初会合を傍聴した難波喬司副知事は金子社長の発言を批判し「JRに被害者意識が出ていて、これがある限り議論が前に進まない」と述べた。

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