リニア工事、差し止め請求9月にも 静岡県内住民らJR東海提訴

 リニア中央新幹線の建設工事を巡り、リニア事業に反対する大井川流域の住民らがJR東海を相手取り、早ければ9月中にも県内区間(10・7キロ)の工事差し止めを求める訴えを静岡地裁に起こす。15日、複数の関係者への取材で分かった。

静岡地裁
静岡地裁

 関係者によると、建設工事によって大井川の流量が減少して利水者の権利が侵害されたり、南アルプスの自然環境や生態系が脅かされると訴える方針。
 リニア建設に反対する市民団体などが今年6月、リニア工事差し止め訴訟の会を設立。島田市や掛川市で学習会を開き、住民らに問題点などを説明してきた。関係者によると、現時点で、35人ほどが原告として名を連ねることに関心を寄せている。県内外の弁護士で弁護団を組織し、訴状の作成準備を進めているという。今後、静岡市内でも学習会を企画し、訴訟への参加を呼び掛けていく。
 リニア工事を巡っては、リニアが通過予定の山梨県南アルプス市の住民らが2019年5月、工事の差し止めなどを求めて甲府地裁に同社を提訴した。

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