国交省会議座長コメント 非公開協議を問題視【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、川勝平太知事は28日の定例記者会見で、国土交通省専門家会議の福岡捷二座長(中央大教授)が25日の第5回会議後に発表した座長コメントを問題視した。コメントは会議後に別室で各委員と非公開で協議して作成されていて「会議の中で時間を取ってまとめるべきだった」と指摘。コメント作成時の協議内容を全て公開するよう求めた。
 福岡座長は25日、同省で2時間にわたり専門家会議を開いた後、出席した委員を別室に集めて1時間近く非公開で協議。直後の記者会見で、事務局の同省職員が会議概要をまとめたとするコメントを文書で配り、同省鉄道局の江口秀二技術審議官がその内容を説明したが、福岡座長は出席しなかった。
 川勝知事は「座長コメントには会議で議論されていない内容が書かれていて、会議の内容がゆがめられた。座長の代わりに一事務官が説明するのは座長に失礼だ」と同省の対応を強く批判。「会議が終わってからのコメント発表はなじまない。座長には学者としての見識を示してもらいたい」と述べ、福岡座長自らが説明責任を果たすように求めた。
 同省に県として抗議文を送ったことも明らかにした。抗議文には「座長コメントを中心とした報道がされるなど、非公開で行われた議論が有識者会議の内容を代表しているかのような印象を与え、(座長コメントの)内容は正確性に欠けている。会議の運営について地域住民に不信感を与える恐れがある」などと記した。

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