「国会議結論に従う」記載なし 7月22日の自民特別委、静岡県知事が発言録公表

 川勝平太知事は28日の定例記者会見で、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、22日に非公開で開かれた自民党の超電導リニア鉄道に関する特別委員会(古屋圭司委員長)での自身の発言録を公表した。発言録によれば、水問題の対策を議論する国土交通省専門家会議の結論の捉え方について、古屋委員長の説明とは微妙な食い違いがあることが明らかになった。
 発言録によると、知事は県と国のどちらの有識者会議かを明示せずに結論の受け止め方を自民議員から問われた際には「100%尊重するというのが科学者に対する態度」と回答。ただ、国の会議の受け止めに限定した質問に対しては、JR東海に対応を求めている全47項目を県の有識者会議に持ち帰って議論するとし「地元が納得すれば、結論を生かしていきたい」と言及したとされる。
 古屋委員長は委員会後、記者団に「川勝知事は(国交省専門家会議の)結論が出たら従っていきたいと初めて公の場で発言した」と説明していたが、発言録にはこうした踏み込んだ発言の記載はなかった。
 知事は28日の記者会見で「流域住民が理解、安心できる資料を作成し、JRが説明できるように指導するのが(国交省専門家会議の)目的だ」と指摘し、会議の結論に従うのはJRだとの認識を強調した。
 大阪府の吉村洋文知事が「東京―名古屋間が遅れるなら先に名古屋―新大阪間の工事を始めてほしい」と発言したことについては「一考に値するし、JR東海には一考してもらいたい」と述べた。

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