着工遅れ、JR対応に問題 協議公開の必要性を強調 川勝知事

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題で、川勝知事はリニアの2027年開業延期を巡って静岡工区の着工を認めていない本県の対応が全国で批判されていることについて「JR東海の真摯(しんし)とは思えない姿勢によって県との対話が進まなかった」と述べ、水問題を議論する県の有識者会議でのJRの対応を問題視した。
 川勝知事は、JRが県有識者会議で委員の質問に十分対応しなかったり、分かりやすい資料を求めても答えなかったりしていると指摘し、本県が批判されていることに関しては「JRとの対話の進捗(しんちょく)状況が全国に知られていない。本県の立場が正確に理解されていないことが原因だ」とした。
 JRと国土交通省が、本県に着工の遅れの原因があるかのように仕向けているのではないかと疑念を示し、国交省専門家会議の全面公開の必要性を改めて強調。「(事務局の国交省鉄道局が)情報を制限し、操作している。事務次官を含む鉄道局と、事業者は一体だ」と非難した。
 リニアの早期開業に向けては「県有識者会議での対話が何より先決だ。県民が理解できる形での対応を進める必要がある」と指摘。生態系を議論する会議が昨年12月以降開かれていないことにも触れ「JRは対話が進むことに協力してほしい。早急な対応をお願いしたい」と要請した。
 また、自民党の超電導リニア鉄道に関する特別委員会が本県を含む沿線都府県の知事から来週にも意見を聴取する方針を決めたことについて「どこにでも出て行く。ぜひ多くの人に(水問題を)分かってほしい」と出席する意向を示した。

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