静岡知事、次回トップ会談に意欲 JR東海に柔軟対応注文 リニア大井川水問題

 川勝平太知事は29日の県議会6月定例会本会議で、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、JR東海の金子慎社長と初めて行った26日のトップ会談について「前につないだ」と述べ、2回目のトップ会談の実施に意欲を示した。公明党県議団の蓮池章平氏(沼津市)の代表質問に答えた。

静岡県庁
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 26日のトップ会談では、JR側が2027年リニア開業を左右するとしているヤード(作業基地)工事について、金子社長が3カ所のヤード全てに同意を要求する姿勢を示した。これに対し、川勝知事は流域市町の意向を踏まえて同意せず、物別れに終わった。
 川勝知事は答弁で「思いは伝わった。(金子社長は)いい人で話が通じる人。持ってきた案件がヤード工事の可否だけだったので、もう少し柔軟な対応が必要だと踏まえれば、次回、会談しても実りあるものにつながる」との見方を示し、水問題を解決する具体策の提示を求めた。
 ヤード工事を行う際に必要となる可能性のある、県条例に基づく環境保全の協定については「基本的なスタンスを理解していただくことが次のステップになる」と指摘した。
 ただ「リニアは国策」と指摘する一方、南アルプスのユネスコエコパークや大井川流域の農業、生活用水、発電事業も国策だとし、国土交通省鉄道局とJRに対し「リニアだけを国策とするのは思い上がりだ」と非難。流域住民の思いについても言及し「何かあった時の補償がほしいということではない。影響が出た後に何かをするのでなく、影響が出ないようにすることだ」と強調した。

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