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リニア坑口、樹木伐採や整地 JR社長「本体工事と別」 知事に理解要望

 JR東海の金子慎社長は10日の定例記者会見で、リニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区の建設に必要な坑口付近の樹木伐採や整地などの工事について「トンネルを掘削する行為(本体工事)と、掘削前の準備とは実態として明確に異なる」と述べ、早く取り掛かれるよう川勝平太知事に理解を求めた。
 金子社長は6月中に取り掛かれない場合、2027年リニア開業は「難しくなる」と改めて危機感を示した。
 JRは樹木伐採や整地をヤード(工事のための作業場)の整備と合わせて「準備工事」と呼んでいる。関係者の間ではもともと、準備工事は作業員宿舎建設や資材置き場整備を指すと理解されてきたが、JRは5月に県に送った文書で「ヤード整備等」と表現し、樹木伐採や整地を追加。河川流量の減少を懸念する大井川の流域自治体には、追加の工事が、なし崩し的に本体工事の容認につながることを警戒する声が目立つ。
 金子社長は、整備する三つのヤードの中でも西俣非常口が計画される西俣ヤードについて「(非常口から斜坑、先進坑、本坑と掘る距離が長いため)特に切迫しており、3カ月程度で完成させたい」と述べた。

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