疑義指摘の委員変更 大井川流量問題、専門家会議人選案 国交省

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を議論する専門家会議の委員構成を巡り、県庁に難波喬司副知事を訪ねた国土交通省の江口秀二技術審議官は27日、県側が中立性を疑問視する森地茂政策研究大学院大政策研究センター所長について「委員ではなく別の立場で関与いただく」との方針を示した。
 江口審議官は難波副知事に示した文書で「人選の中立性に問題はない」と改めて主張した一方、森地氏の立場の変更理由について「流域市町の懸念払拭(ふっしょく)」を挙げた。事実上、県側の疑義に配慮した見直しとみられる。
 国交省は4月中旬をめどに第1回有識者会議を開催することを提案した。県側は、既に着手している委員の公募をどうするかを含め対応を決める。
 森地氏はJR東海からリニア工事を受注した大成建設の社外監査役、JR東海の中央新幹線懇話会メンバーを務めている。県は森地氏について「旧国鉄に在籍歴があり、JR東海の懇話会メンバーであることから、中立公平性に欠ける」と主張していた。
 公募は、人選案には大井川の水循環や生態系に詳しい専門家が不足しているなどを理由に実施し、早急な会議の開催を求める国交省とのあつれきが表面化している。

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