専門家会議、委員公募に不信感 国交省局長「驚いている」

 難波喬司副知事と国土交通省の水嶋智鉄道局長は17日、リニア中央新幹線工事に伴う大井川流量減少問題を議論する新たな専門家会議の人選を巡り、同省で協議した。水嶋氏は県が委員候補を突然公募した対応に「正直、大変驚いている」と不信感を示した。国交省の人選案の一部候補が中立性に欠けるとの指摘にも反論し、県に理由の説明を求めた。難波副知事は持ち帰って対応を協議する考えを示した。

専門家会議の人選について協議する国土交通省の水嶋智鉄道局長(左から2人目)と、難波喬司副知事(右から2人目)ら=17日午前、国交省
専門家会議の人選について協議する国土交通省の水嶋智鉄道局長(左から2人目)と、難波喬司副知事(右から2人目)ら=17日午前、国交省

 水嶋氏は協議の冒頭、知事と直接会談して人選を協議してきた経緯を説明。「県の意見を踏まえて、引き続き調整を進めたい」との意向も示した。
 協議後に会見した国交省の江口秀二技術審議官は「公募の目的が理解できない。県の有識者会議の委員が入るので十分だ」と指摘。県の公募要件にある「水循環の科学的知見を持つ人」を挙げ、「(同省の)人選案で第一人者を提示した」と強調した。
 難波副知事は会見で、公募をやめるつもりはないと明言。委員に推薦する人数は「応募状況を見て決める」と述べるにとどめた。
 川勝知事は13日の会見で、国交省の人選案の1人が、リニア工事をJR東海から受注した大成建設の社外監査役であることから、県の有識者会議委員の匿名コメントを引用する形で中立性に疑問を呈した。江口氏は「監査役は業務の違法性や不当な職務執行を監視する役割。指摘は当たらない」と反論した。

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