リニア問題、国専門家会議受け入れへ 新設提案に条件付きで調整

 川勝平太知事は28日の定例記者会見で、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、JR東海との調整役を担う国土交通省が提案した専門家会議の新設について、条件付きで受け入れる方向で調整していると明らかにした。
 川勝知事と流域10市町長との20日の意見交換会では、県が設置している有識者会議との関係性を踏まえ、首長側から「屋上屋だ」「県有識者会議の意見を国交省の専門家会議が塗り替える」と中立性を疑問視する声が上がっていた。
 川勝知事は県の有識者会議について「科学的根拠に基づいて議論している。(国交省が)当事者だと言っているのはとんでもない」とした上で、中立性を担保するために(1)県有識者会議の委員を専門家会議メンバーに入れる(2)議論を公開にする―などの条件を付ける考えを示した。
 さらに、国交省が専門家会議の論点として挙げた(1)トンネル湧水全量の大井川への戻し方(2)中下流域の地下水への影響-の2点だけでなく、県が「引き続き対話を要する事項」としてJRに求めた47項目について議論することを条件とする方針も示した。
 流域10市町長や県有識者会議メンバーの意見を聴いた上で、難波喬司副知事が今週中に国交省に回答書を持参する。
 川勝知事は23日夜、共通の知人である矢野弘典ふじのくにづくり支援センター理事長を交えて国交省の水嶋智鉄道局長と会食したことを明かし「水嶋氏は国交省とJRは別で、JRに厳しい指導をすると言っていた」と述べた。

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