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南アルプストンネルの工区変更、可能性否定せず JR東海社長

 JR東海の金子慎社長は22日、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の流量減少問題で、工事の進み具合によっては、遅れを取り戻すために山梨、長野の両工区を拡大し、静岡工区を短くする形で掘削を進める可能性があることについて「(工区変更の)具体的な検討はしていない」と強調した。ただ、今後の可能性は否定しなかった。

南アルプストンネルの工区変更の可能性について見解を述べるJR東海の金子慎社長=22日午後、名古屋市
南アルプストンネルの工区変更の可能性について見解を述べるJR東海の金子慎社長=22日午後、名古屋市

 JRの担当者は同日までの静岡新聞社の取材に「基本は契約している工区を掘削する」との姿勢を示しながらも「将来、工事の進捗(しんちょく)状況によっては、契約している工区を変更して掘削する可能性は考えられる」と答えた。金子社長は「質問があったので、あえて一般論として言えば『ありえないことではない』と回答した」と説明。「そういうこと(工区変更)は、よほどのことがない限りないのかなという印象」とも述べた。
 南アトンネルの県内区間10・7キロの大半は静岡工区だが、東側の1・1キロは山梨工区、西側の700メートルは長野工区の一部となっている。計1・8キロは大井川流域に当たる。一方で、トンネル内に湧き出た水について、JRはトンネルがつながるまでの間、大井川に戻せないと説明。県内区間の山梨工区と長野工区が拡大すると、その分だけトンネル湧水の県外流出量が増加し、中下流域への表流水や地下水への影響が大きくなる可能性がある。
 県の有識者会議とは別の専門家会議を新設するとした国土交通省の提案に金子社長は「有効なのではないか」と期待感を示した。

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