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地滑り前兆、衛星使いキャッチ 天竜区で変動観測 静大准教授と浜松市が実験

(2021/1/12 08:30)
高精度衛星測位モジュールなどを搭載した観測機器を設置する木谷友哉准教授(右)=2020年12月中旬、浜松市天竜区佐久間町
高精度衛星測位モジュールなどを搭載した観測機器を設置する木谷友哉准教授(右)=2020年12月中旬、浜松市天竜区佐久間町
GNSS機器を使った実証実験のイメージ
GNSS機器を使った実証実験のイメージ

 静岡大情報学部の木谷友哉准教授が2020年12月から、浜松市などと協力して天竜区佐久間町大滝地区に高精度衛星測位(GNSS)機器を設置し、地面の変動などを正確に測定する実証実験を始めた。関係者は「地滑り発生につながる変動を事前にキャッチするなど、防災技術の開発につなげたい」と意気込む。
 地域住民の協力も得て、地滑り防止区域となっている同地区の斜面や集落につながる道路のガードレールなど計7カ所に高精度衛星測位と通信用の機器を設置した。地球の周囲を回る各国の測位衛星が発信した情報を捉え、測定場所の位置を割り出す。技術の進歩で、数ミリ程度の地面の動きも把握できるという。データは定期的に木谷准教授の研究室へ送信される。
 従来の土砂災害対策は、センサーを危険箇所に設置して警戒するのが一般的。GNSSによる測定で精度の高い情報を得られるようになれば、広範囲の地面の動きを観測できる。さらに、いち早く土砂災害の予兆をとらえることや、事前に住民に避難を呼び掛けるなどの活用も視野に入るという。
 計測は20年度末まで実施予定で、中長期的には市内のより広範囲をモニターできる体制を整え、計測結果をオープンデータとして公開する構想もある。木谷准教授は「機器は遠隔操作も可能で、データ回収のたびに現地へ出向くといった手間も省ける。人口減の時代に合った防災技術の開発につなげたい」と力を込める。

 <メモ> 浜松市は2020年度、浜松ORIプロジェクトと題し、産業や医療、防災などの多様なデータを活用して地域課題の解決を図る実証実験を全国公募。企業や団体などが提案した8件を採択した。静岡大の木谷友哉准教授の実験のほか、これまでに発光ダイオード(LED)を活用したムクドリの追い払い、スマートフォンのアプリを用いた避難所運営などを実施している。

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