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静岡県防災アプリ、機能充実 避難所運営「密」軽減に効果 

(2020/12/27 09:00)
静岡県の防災アプリを活用した避難所運営に取り組む参加者=13日、沼津市大岡の沼津高専
静岡県の防災アプリを活用した避難所運営に取り組む参加者=13日、沼津市大岡の沼津高専
年代別 防災アプリのインストール率
年代別 防災アプリのインストール率

 新型コロナウイルス感染拡大に伴うデジタル化の流れが、防災にも広がりつつある。静岡県が開発したスマートフォン向け防災アプリ「県防災」の運用開始から1年。緊急情報の通知やハザードマップの確認、避難トレーニングなど平常時から災害時まで役立つ機能に加え、県はアプリの活用が避難所運営の新型コロナ対策にもつながるとして、機能の充実を進めている。
 「県防災」は2019年6月に運用を開始。18年7月の西日本豪雨で、自治体が出した避難勧告や避難指示が、住民に的確に伝わらなかったり、十分認識されなかったりした教訓から、県内で風水害が想定される場合に住民がより適切な避難行動を取れるようシステム構築を図った。県防災をインストールすると、豪雨や台風の際、現在地や事前登録した市町が発令した避難勧告や避難指示などの避難情報、気象警報や注意報などの気象情報がスマホの画面に自動表示される。洪水や地震、津波などのハザードマップで地域のリスクを確認できるほか、最寄りの避難施設を地図上に表示し、避難施設までの経路や所要時間を検証する避難トレーニングの仕組みも取り入れた。
 新型コロナの感染拡大防止を図るため、県は防災アプリの活用を進める。避難所で過密が予想される受け付け業務の短時間化につなげようと試行に取り組んでいる。
 12月中旬、沼津市で開かれた防災研修会で、避難所運営支援機能の追加に向けた体験会を実施した。参加者はスマホに「県防災」をインストールし、避難所や氏名、年齢、体調などの情報を登録。避難所では非接触で受け付けができ、避難者の誘導も従来の半分の時間で行った。食料配布や健康チェックなどの生活情報もアプリで共有できることも確認した。
 県によると、スマホに慣れていない人への対応や通信技術強化への課題はあるものの、システムの改善を図りながら来年度以降の本格運用を目指す。県防災の追加機能は、すでに避難行動の登録までは搭載されていて、今後、避難所開設時に運用される。今年は新型コロナの影響で、多くの人が集まる防災訓練の中止や縮小を余儀なくされる市町や自主防災組織などが相次いだ。防災アプリの活用は密への懸念を軽減する一つの手段にもつながるという。
 県危機情報課の担当者は「『県防災』の普及には、市町や避難所運営側の理解と協力が必要。地域での説明会や体験会を重ね利用促進を図りたい」と話した。

 ■全国で導入広がる シニア層が関心
 県によると、県の防災アプリ「県防災」のダウンロード数は約13万件(11月末時点)。全国的に防災アプリの導入が広がる中、本県のダウンロード数は伸びている。
 NTTドコモモバイル社会研究所が今年1月に実施した調査では、スマートフォンに防災アプリをインストールする人の割合が増えているという。全国の15~79歳の男女計約7千人を対象に調査した結果、2018年のインストール率が32・0%だったのに対し、19年は42・8%、20年は46・5%と年々増加している。
 インストール率を年代別に見ると、70代が64・0%と最も高かった。20代が32・8%と最も低く、年代が上がるにつれ上昇している。スマホの利用率の高い若年層に比べ、防災アプリの利用はシニア層の方が高いのが特徴という。同研究所は「高齢であるほど、防災意識が高いことがうかがえる」と分析する。

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