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自分のまちで地震が起きたら… 掛川東中生、防災小説を執筆

(2020/12/24 19:56)
ゼミ生と防災小説の物語を考える生徒=11月上旬、掛川市立東中
ゼミ生と防災小説の物語を考える生徒=11月上旬、掛川市立東中

 掛川市の東中1年生約200人が11月、巨大地震の発生を仮定して、自分の行動や周囲の状況を想像して物語をつくる「防災小説」の執筆に取り組んだ。防災教育に力を入れている静岡大教育学部藤井基貴准教授の研究室によるプロジェクトで、県内の公立学校での実施は初めてという。
 「『緊急地震速報』。甲高い音が鳴るとともに、とてつもない揺れが襲った」「木は倒れ、物は落ち、いつも見ている風景とは別物になっていた」
 11月下旬、同校で行われた小説の発表会。生徒たちが約3週間かけて考えた物語を班ごとに読み上げた。小説の舞台は海の近くの公園や自宅、仮設住宅などさまざま。生徒は紙芝居や寸劇で、家族で避難する様子や余震が続き焦る心情など、主人公である自分の行動や気持ちを表現した。発表を終えた小沢凪紗さん(13)は「想像して書くことで、自分が体験したような気持ちになった。地震の怖さを以前より感じた」と振り返った。
 執筆を始めたのは11月上旬。藤井准教授やゼミ生が同校を訪れ、南海トラフ巨大地震の被害想定や掛川市で予想される津波の高さなどを説明した。小説は12月の夕方、巨大地震が掛川市を襲ったという設定で書かれた。現実的な内容にする、結末はハッピーエンドで終わるなどという条件を付けた。
 生徒は普段、自分や家族が夕方の時間に行っていることを振り返ったり、地震が起きたときの気持ちやまちの様子を想像したりして、意見交換した。「近くのスーパーに人があふれているのでは」「地元の公民館に逃げよう」など、地域に根ざした小説になるよう工夫した。
 防災小説プロジェクトは藤井准教授、慶応義塾大の大木聖子准教授(地震学)両研究室の連携事業。藤井准教授は「受け身になりがちな防災教育だが、防災小説は自分の目線で想像して書くことで主体的に学ぶことができる」と利点を説明する。小説の執筆や発表を通じて、文章力や表現力の向上も期待できるという。
 

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