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台風19号から1年、廃棄物集積所の選定進まず 静岡県東部

(2020/10/13 16:45)
昨年の台風19号の影響で、大量の廃棄物が積み上げられた集積所=昨年10月13日、伊豆の国市の原木公民館(市提供)
昨年の台風19号の影響で、大量の廃棄物が積み上げられた集積所=昨年10月13日、伊豆の国市の原木公民館(市提供)

 住宅浸水など県東部を中心に甚大な被害をもたらした昨年10月の台風19号伊豆半島上陸から12日で1年となった。被害を受けた県東部の市町では、水に漬かった家財道具や電化製品など大量の廃棄物が一般家庭から出され、地区ごとに設けた集積所に殺到した。廃棄物処理で混乱が生じた伊豆の国市や、人口が多く被災時に大量の廃棄物が生じる懸念がある浜松市など県内自治体は、あらかじめ各地区に候補地の検討を求めているが、適地が無く難航している地区もある。
 伊豆の国市は床上・床下浸水が600件以上発生した。被害が深刻だった原木区は広さ約500平方メートルの原木公民館の駐車場を集積所に決めた。だが、広さは十分ではなく、利用もJA伊豆の国原木支店と共有しているため2日間のみだった。分別や人員確保などでも混乱が生じた。
 原木区は候補地の協議を重ねているが、後藤謙二区長は「公民館のほかに候補地はなく、選定は難しい」と苦慮。市廃棄物対策課の担当者は「条件に合った公共用地がある地区ばかりではない。また私有地に受け入れてもらうのはハードルが高い」と頭を悩ませる。
 同市と同じく浸水被害が大きかったのが函南町。各地区での集積所に加えて町が函南小グラウンドに開設したが、ガラスなど細かい危険物処理のため、搬出後に土を入れ替えた。町環境衛生課の担当者は「廃棄物を置いたあとの処理まで見据えた検討が大切」と指摘する。
 浜松市は台風19号では廃棄物が出るような被害はなかったが、県東部や県外の被災地を訪れて聞き取りを行っている。災害廃棄物処理計画よりも詳細な対応マニュアルを作成し、有事に備える。
 台風19号による災害廃棄物処理に課題があったことを受け、県は7月、廃棄物処理計画を改定。市町にも本年度中にそれぞれの廃棄物処理計画を見直すよう求めている。県の担当者は「災害発生前にいかに準備しておくかが重要」と強調した。

 ■県内浸水被害3000件 台風19号メモ
 気象庁が1958年の狩野川台風に匹敵すると警戒を呼び掛け、昨年10月12日に伊豆半島に上陸した。県内に初めて大雨特別警報が発表され、伊豆の国市や函南町を中心に県内で約3000件の浸水被害が発生。両市町には災害救助法が適用された。浸水した家具や電化製品、畳などの災害廃棄物が大量に発生し、伊豆の国市では約800トン、函南町では約500トン排出された。

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