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災害時の救護所、コロナ対策空白 静岡県内自治体、対応に温度差

(2020/10/3 17:38)
医療救護訓練を行い救護所のコロナ対策について話し合う関係者=9月中旬、裾野市
医療救護訓練を行い救護所のコロナ対策について話し合う関係者=9月中旬、裾野市

 南海トラフ巨大地震など大規模災害時に負傷者の受け入れや処置に当たる救護所をめぐり、国や静岡県の新型コロナウイルス対策に空白が生じている。救護所運営に対する具体的な方針やガイドラインは存在せず、救護所の設置主体となる県内の市町は独自に対策を進める自治体がある一方、手付かずの所もあって温度差が出ている。
 国の災害時の医療体制は主に厚生労働省が所管する。しかし、地域医療計画課や結核感染症課によると、災害拠点病院やDMAT(災害派遣医療チーム)、感染症対策などには対応するが、救護所はいずれも管轄外だという。また、6月に避難所のコロナ対策に関するガイドラインを作成した内閣府によると、救護所については所管しておらず取材に対し「厚労省だと思う」との返答だった。
 県の医療救護計画には、救護所の運営に関する記載がある。ただコロナ対策については「具体的に参考にするものがない」(地域医療課)とし、見直しはしていない。今後も未定だ。政令市の静岡市も具体的な検討はしておらず、ほかの多くの市町も同様の状況とみられる。
 一方、裾野市は9月中旬、コロナ禍の救護所運営を検証するため須山地区研修センターで医療救護訓練を行った。どのタイミングで負傷者の検温をするかや、熱がある人をそもそも救護所に入れるかなどさまざまな課題が浮かんだ。市の担当者は「整理すべきポイントが分かった」と意義を強調した。
 浜松市も9月、医療関係者と対応を協議した。救護所では基本的に重傷者の処置は行わないが、緊急的に必要になった場合を想定し、医療機関で使う高性能のN95マスク備蓄の必要性を確認した。
 同市災害医療コーディネーターを務める浜松医大救急部の高橋善明医師は「コロナ対策を事前に検討しておかないと、いざという時に混乱する」と強調。その上で「市町が対策を講じやすいよう国や県は方向性を示してほしい」と訴える。

 <メモ>救護所 大規模災害時に負傷者のけがの程度の判定(トリアージ)や、軽症者の受け入れ、応急処置を行うほか、重傷者を病院に搬送する拠点となる。避難所に併設するケースが多いが、救護病院や診療所近くに置く場合もある。県医療救護計画は市町が設置すると明記している。

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