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豪雨洪水ハザードマップ 静岡県内11市町が未作成

(2020/9/6 11:11)
最大規模の雨量を想定した県内市町の洪水ハザードマップ作成状況
最大規模の雨量を想定した県内市町の洪水ハザードマップ作成状況
最大規模の雨量による浸水想定区域を表した静岡市の洪水ハザードマップ=3日、同市役所
最大規模の雨量による浸水想定区域を表した静岡市の洪水ハザードマップ=3日、同市役所

 2015年の改正水防法に基づき、最大規模の雨量を想定して市町村が作成する必要がある洪水ハザードマップで、静岡県内の対象30市町のうち3分の1強の11市町が未作成になっていることが、5日までに県や市町への取材で分かった。期限は定められていないが、九州を中心に甚大な被害が出た7月の豪雨では、ハザードマップの一定の有効性が認められた。本格的な台風シーズンを迎え、県は早期対応を求める。
 豪雨災害の頻発を受けた法改正で、想定する雨量や浸水域が「数十年から100年に1度レベル」から「千年に1度レベル」に大幅に引き上げられた。国や都道府県は、管理する河川ごとに浸水想定区域や浸水深を示し、それに基づいたマップ作成が市町村に義務付けられている。
 県内では、19年5月までに安倍川や富士川、天竜川など計64河川の浸水想定区域が示された。静岡、浜松、沼津など19市町は作成を終えた。島田市や菊川市、松崎町など11市町は8月末時点で、未完成だ。以前の想定に基づいたマップになっている。
 未策定の市町のうち多くは20年度末までに整備する計画だが、県が早ければ同年度内を目途に任意で進めている、法定以外の河川の想定浸水区域公表を待つ自治体もある。島田市や菊川市は「市内すべての河川の浸水想定が示されてからマップを作った方が効果的」と語る。
 国土地理院によると、7月の豪雨で、熊本県の球磨川流域では浸水の深さが最大8~9メートルあった。浸水したとみられる区域は、国土交通省が昨年7月に示した浸水想定区域で、深さ5メートル以上20メートル未満とした範囲におおむね含まれていた。県は「豪雨災害はいつ、どこで起きてもおかしくない。法定で示した河川については早期にハザードマップを作ってほしい」(河川企画課)と求める。

 ■災害リスクの啓発重要
 静岡大防災総合センターの牛山素行教授の話 過去の豪雨災害では、ハザードマップ上リスクがあるとされた場所で大きな被害が出ている。マップの活用は重要。ただ、マップの有無以上に、災害リスクをきちんと住民に説明しているかどうかの方が大切。マップはその一つの手段。想定される浸水区域や浸水深はすでに国や県がホームページなどで公表している。マップがなければ、市町はこうした物の活用を積極的に啓発すべきだ。マップの情報は絶対ではないことなどを含め、適切に説明できる職員の能力向上も求められる。

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