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総合防災訓練、自治体で差 県は中止/市町は縮小 静岡県内

(2020/8/27 08:46)
マスクやフェースシールドを着用し訓練に臨む職員=24日、裾野市役所
マスクやフェースシールドを着用し訓練に臨む職員=24日、裾野市役所

 大規模地震を想定し、防災の日(9月1日)に合わせ毎年、静岡県内全域で行われている総合防災訓練。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で県が春先に中止を決めたほか、一部市町でも訓練を実施しない予定だ。一方、その他多くの市町は規模を縮小しつつも本部運営や避難所運営などを予定し、計画に差が出ている。専門家は「コロナ禍だからこそ、やるべき訓練があるのではないか」と訴える。
 「全半壊家屋が千棟以上」「緊急停止した電車から乗客が徒歩移動を開始した」―。裾野市役所で24日に行われた本部運営訓練。マスクやフェースシールドを着用した職員は、次々と入る情報の対応に当たった。山本泰男危機管理調整監は「中止も考えたが、新型コロナや暑さ対策をしながら災害対応を経験するのは重要だと判断した」と狙いを語った。
 藤枝や焼津、掛川の各市などは、新型コロナなどの感染症対策を検証する避難所運営を行う。うち、掛川市では職員と自主防災組織の役員が広域避難所を立ち上げ、検温や手指消毒の場所、人々の動線を確認する。担当者は「7月には熊本などで豪雨災害が発生したばかり。何も準備しないまま台風シーズンを迎えられない」と危機意識を高める。
 一方、県は総合防災訓練の一環で毎年開催する本部運営訓練も実施しない。4月の参集訓練も取りやめていて、本年度は多くの職員が携わるような訓練がほとんどできていない。植田達志危機報道官は「梅雨期やコロナ対応を通し、情報収集や人員配置などのノウハウは蓄積できている。今は感染症対策を優先している」と説明する。また下田や伊東、伊豆などの各市は、行政としての訓練は実施しない計画だ。
 新型コロナの感染拡大で、3密回避の避難所運営など、災害対応に新たな課題が浮上している。元県危機管理監で静岡大防災総合センターの岩田孝仁特任教授は「各組織で図上訓練などを通し、イメージトレーニングした上に検証の場として総合防災訓練がある」と説明。「仮に実働訓練ができなくても、やるべきことはいくらでもある」と指摘する。

 <メモ>県総合防災訓練 大規模地震を想定し、1979年から防災の日に合わせ毎年実施している。県、市町の災害対策本部の強化、防災関係機関との連携体制の確立、地域防災力の向上などが狙い。県の集計では毎年、県民70万~80万人が参加。2020年度は8月30日に御前崎、菊川両市を主会場に実施予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で来年に延期した。

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