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溶岩流、3時間内に生活圏へ 富士山ハザードマップ中間報告

(2020/3/30 17:07)
小規模噴火発生3時間以内に溶岩流が到達する範囲のシミュレーション結果(静岡県内代表点)
小規模噴火発生3時間以内に溶岩流が到達する範囲のシミュレーション結果(静岡県内代表点)

 静岡、山梨、神奈川3県などでつくる富士山火山防災対策協議会は30日、富士山ハザードマップ改定作業の中間報告を明らかにした。小規模噴火に伴う溶岩流のシミュレーションでは、3時間以内に静岡県側の市町の公共施設や観光地周辺まで達するなど、富士山麓の生活圏にリスクが及ぶ可能性が浮き彫りとなった。火砕流は富士宮市などで到達域が一部拡大し、避難計画の見直しが必要となる。
 シミュレーションでは、噴出量2千万立方メートル未満の小規模噴火の場合、3時間以内に小山、御殿場、裾野、富士、富士宮のいずれか、または複数の市町に溶岩流が届く可能性を明示。中でも改定作業で噴火対象年代が拡大し、新たに「二子山火口」などが想定に加わった富士宮市は、大動脈の国道139号や469号を越えて、市街地周辺や白糸の滝付近まで達する恐れもあるという。
 富士市では新東名高速道付近にまで達し、24時間以内には東海道新幹線に到達するケースも想定。裾野市須山支所や小山町の東富士五湖道路周辺まで被害が及ぶ見込みも示されている。
 富士山は噴火直前まで火口位置が定まらないとされるため、小規模噴火のシミュレーションでは、想定される火口範囲に92カ所の起点を設けた。地形データを20メートル四方に細分化して分析し、溶岩が起伏に応じて流れる状況を詳細に検証した。
 一方、火砕流の本県側シミュレーションでは、新たに富士宮市の富士山スカイライン周辺で到達範囲が広がったが、市街地近郊にまで影響が及ぶような想定は示されなかった。
 協議会では今後、中規模や大規模の噴火による溶岩流や融雪型火山泥流のシミュレーションなどを検討し、想定被害範囲はさらに拡大する可能性がある。20年度内にハザードマップの完成を目指す。
 現在は富士山の噴火兆候は観測されていないが、同協議会を構成する富士山ハザードマップ検討委員会の藤井敏嗣委員長は「シミュレーション結果やハザードマップを見て、どこに火口が開いても安全に避難などの対応ができるように訓練することが重要だ」とコメントした。

 <メモ>富士山ハザードマップ 富士山の噴火に備え、想定される火口範囲や溶岩流、火砕流などの災害到達エリアなどを示した危険予測地図。現在のマップは2004年、国や静岡、山梨、神奈川3県と有識者らによる協議会が策定した。3県の広域避難計画や周辺自治体の避難計画を策定時の基礎資料となる。改定作業は新たな科学的知見を反映させるため、18年度から進められている。

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