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復旧支援に自転車活用 浜松、湖西の官民連携組織

(2020/3/22 11:00)
自転車の後方に連結したサイクルトレーラー。支援物資の運搬実験に使用する=18日午前、浜松市中区のはままつペダル
自転車の後方に連結したサイクルトレーラー。支援物資の運搬実験に使用する=18日午前、浜松市中区のはままつペダル

 自転車を活用した災害時の復旧支援態勢構築を目指し、浜松、湖西両市で活動する官民連携組織が2020年度、自転車による道路被害の確認や物資運搬の実効性を検証する実験に乗り出す。周遊コースとして人気が高い浜名湖で培った自転車観光のネットワークを非常時に生かす。

 ■道路状況把握、物資運搬実験へ
 静岡県や両市、浜松自転車協会などでつくる浜名湖サイクルツーリズム災害連携社会実験協議会が実験を企画する。両市に1カ所ずつモデル地区を設定し、自宅で生活する被災者に物資を届ける計画。自転車の後方に連結して荷物を運べる「サイクルトレーラー」に支援物資を載せて、浜名湖周辺で活動する自転車愛好家が災害ボランティアになって運ぶ。サイクルトレーラーは幼児やペットを周遊に同伴する際に使用する道具で、浜松市中区のレンタサイクル「はままつペダル」でも貸し出している。災害時に応用できるかを確かめる。
 走行経路や道路の画像を共有できる自転車用のスマートフォンアプリを活用し、災害時に生活道路の通行可否を確認する模擬訓練も行う。地割れや段差が生じた道路の走行を想定し、パンクしにくい太いタイヤを備えた「ファットバイク」の試験走行は天竜川河川敷で実施予定という。
 今後、地元自治会と調整し、モデル地区を選定する。被災後に障害者ら要支援者の生活が課題になる地区などを候補に挙げる。道路を活用した新たな取り組みを推進する国土交通省の社会実験に申請し、採択されれば正式に実験の実施が決まる。
 同協議会の事務局を務めるNPO法人地域づくりサポートネット浜松事務所(同区)の山内秀彦代表(59)は「自転車観光のPRで連携している他の地域もいずれは巻き込み、自転車ボランティアの助け合いの輪を広げられたら」と話した。

 ■津波避難に役立てる試みも 自動車で大渋滞、東日本大震災教訓
 2011年の東日本大震災では地震発生後、高台などへ避難する自動車で渋滞が起き、多くの車が津波にのまれた。県内ではこの教訓から、自転車の津波避難への活用を試みる動きが震災後に広がった。
 浜松市の自転車愛好家でつくる浜松自転車協会は17年、津波避難を想定した走行会を実施した。浸水が予想される同市南区を走り、避難に要した時間を計測した。松崎町でも徒歩と自転車での避難時間を比較する訓練が実施された。
 震災の被災地では被災者や支援者の移動の足として自転車の需要が高く、支援物資として贈った県内の自治体もあった。浜名湖サイクルツーリズム災害連携社会実験協議会の担当者は「被災時に試走車の提供を受けられるといった協力体制を自転車販売店やメーカーと築きたい」と話した。

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