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水害対策、児童が考える 狩野川河川教育5年目、実践校拡大

(2020/2/23 14:00)
沼津市立第四小の児童が河川教育の授業を受けてまとめた防災対策
沼津市立第四小の児童が河川教育の授業を受けてまとめた防災対策

 狩野川流域7市町の小学校の子どもたちが、狩野川災害の歴史や防災対策を学ぶ河川教育が始まって2020年度で5年目を迎える。児童が受けた授業内容は家庭での会話で親へと伝わり、地域防災力の向上に一役買っている。

 ■昨年の台風19号 避難行動に直結
 河川教育は16年度から国土交通省沼津河川国道事務所が中心となって実施した。当初沼津、伊豆の国、伊豆市の3校だった実践校は20年度、7市町17校にまで拡大した。
 従来型の行政職員による講座方式とは異なり、教員が通常授業の一環で行うのが特徴。授業内容としては、1958年に伊豆半島を中心に大規模な水害をもたらした狩野川台風の経験談を聞いたり、自分たちでできる水害対策を話し合ったりして、河川との正しい向き合い方を学ぶ。
 19年10月の台風19号接近前後にあたる9月下旬から10月下旬まで授業を実施した沼津市立第四小では、児童の防災行動に変化が見られたという。児童自らが家庭内で率先して避難を呼び掛けたり、促したりする事例が多数報告された。
 授業最終回の「自分たちに何ができるか」をテーマにした授業では、児童たちが台風19号での具体的な事例を挙げながら、それぞれの防災対策を1枚の紙にまとめていった。水上美鈴校長は「子どもたちが積極的に避難行動を起こした点では大変な成果」と評価する。
 沼津第四小を含む19年度の実践校4校で対象児童の保護者に対するアンケートで、児童の約85%が家庭で授業の話をしたと回答。そのうち、約9割が家庭内でハザードマップや避難ルート、備品の確認など具体的な防災行動を起こした。
 アンケートの感想欄には「学びのきっかけになった」「災害への事前準備を心掛けるようになった」など家庭内に防災意識が波及していることを示す記入がみられた。
 水上校長は「沼津など県東部は河川とともに生きていく地域。授業を受けた子どもたちが成長し、地域の防災の担い手となり、防災力が高まっていくだろう」と期待する。同事務所の加納啓司副所長も「防災意識の向上につながっているのは間違いない」として、河川教育の重要性を強調した。

 ■教育 7市町全域拡大へ 授業内容、地域特性を考慮 沼津河川国道事務所
 狩野川流域で展開する「河川教育」について国土交通省沼津河川国道事務所は、現在展開している狩野川流域にとどまらず、7市町全域に広げるとともに、授業メニューも津波や土砂災害など地域特性に応じた内容を追加していく考えだ。
 実践校は同事務所と7市町の教育委員会が話し合って決めている。狩野川流域の小学校を中心に展開していて、5年目の20年度は伊豆の国市立大仁北小、清水町立西小の2校が新たに加わる。
 同事務所の加納啓司副所長は狙いを「河川のみならず、防災全体について県東部で考える輪を広げていきたい」と話す。

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