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進む自家発電整備 静岡県内の高齢者施設、災害時の安全確保へ

(2019/11/27 17:00)
紫雲の園が新たに導入した発電機。利用者への食事提供に重要な調理場の機能維持を図る=袋井市
紫雲の園が新たに導入した発電機。利用者への食事提供に重要な調理場の機能維持を図る=袋井市

 昨年秋に静岡県西部を襲った台風24号をはじめ、各地で自然災害による大規模、長期間の停電が発生する中、県内の高齢者福祉施設で非常用自家発電設備の整備が進んでいる。国が新設した補助金を利用して、県内では2019年度中に96施設が発電設備を増強する。利用者の安全確保のほか、災害時の地域の福祉拠点として機能することも期待される。
 発電設備の整備事業は国が18年度に決定した防災・減災の緊急対策に盛り込んだ。19年度までに全国の高齢者施設約860カ所を対象に、導入費用の一部を補助する。県内で交付が決まったのは静岡、浜松の両政令市を含む20市町に及ぶ。
 袋井市の特別養護老人ホーム「紫雲の園」は9月、補助金を活用して出力の大きな可搬式の発電機を導入した。施設ではすでに可搬式2台とガス発電機を備えてたん吸引などの医療機器や水道ポンプの稼働に対応できる態勢を整えていたが、調理場の機能維持を図るため導入を決めた。のみ込む能力が低下した利用者向けに細かく刻んだ食事を提供するには電力が不可欠。岡田昌孝施設長は「普段通りの食事は利用者の安心材料になる」と強調する。
 特別養護老人ホームや認知症グループホームなどを運営する浜松市東区の総合福祉施設「さぎの宮寮」は約30年前の設備を入れ替え、強化する。昨年の台風24号では重い病気や障害のある在宅患者が使用する医療機器の電源確保が課題となった。高杉威一郎施設長は「施設利用者だけでなく地域の障害者世帯や独居高齢者などにも使ってもらい、地域に貢献できる」と話す。
 国の補助金の対象となった県内の高齢者福祉施設は1400カ所以上。各施設で最低限の設備は整えているとみられるが、財政面などから充実度に差が出ている可能性もある。県老人福祉施設協議会の東、中、西の各支部では災害時の会員施設間の相互応援協定を結び、施設間で発電機の貸し借りなどができる態勢をつくっている。

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