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地元悲鳴、沼津・大瀬崎の漂着物「最大」 台風19号被害

(2019/11/10 11:07)
台風19号の影響で漂着物に埋め尽くされた海岸=10月13日、沼津市の大瀬海水浴場付近(大瀬海浜商業組合提供)
台風19号の影響で漂着物に埋め尽くされた海岸=10月13日、沼津市の大瀬海水浴場付近(大瀬海浜商業組合提供)
沼津・大瀬崎
沼津・大瀬崎

 10月に伊豆半島に上陸した台風19号の影響で、沼津市大瀬崎に大量の流木や草、ごみが漂着した。大雨や台風のたびに漂着物がたまるスポットとなっていて、今回の台風では「過去最大」という量が押し寄せた。漂着物は水門の開閉を妨げたり、不審火の原因になったりなどと防災上のリスクが高く、早期の回収が求められる。集積は地元、回収は市が行っているが、地元住民から「現状の対応では限界」と悲鳴の声が上がる。
 大瀬崎は沼津市中心街から南西に位置する半島で、駿河湾に約1キロ突き出している。海岸沿いにはホテルや旅館、ダイビングショップが並び、シーズンには海水浴客ら大勢の観光客でにぎわう。
 台風19号に伴う大雨では狩野川の水位が上昇し、狩野川放水路を開放した。上陸翌日の10月13日には大瀬崎の海水浴場に大量の漂着物が流れ着き、海岸沿いのホテル前は玄関が開かないほどだったという。大瀬海浜商業組合所属の経営者らは13日から漂着物の集積作業を始め、16日からは沼津市が重機を入れて回収した。25日までに回収した漂着物は350立方メートル。9月の台風15号上陸後の回収量は10立方メートルで、関係者は今回の量を「過去最大規模」と評する。狩野川を管理する国土交通省沼津河川国道事務所は、漂着物の「流出元」を狩野川や狩野川放水路、富士川と推測する。
 同事務所の加納啓司副所長は「大量の漂着物を放置しておくと防災上のリスク要因となる」と懸念する。61年前の狩野川台風では、上流からの大量の流木が橋脚にたまってダムを形成、その後決壊して大洪水を引き起こした。海岸にたまった漂着物は不審火の原因にもなる。
 大瀬崎ではこれまでも出水期の漂着物の処理に頭を悩ませていた。これまでは組合所属のホテルや旅館、ダイビングショップの経営者らが重機をできるだけ使わずに集積してきた。今回の経験で高野貴好組合長は「人力で片付けられる量ではない」と話す。
 漂着物には草も目立ったという。沼津市水産海浜課の担当者は「河川敷で処理したまま放置された草が流れ着いたのではないか」と指摘する。大瀬崎に打ち上がったごみは、地元が集積し、海岸管理者の沼津市が回収処理を担う。国は狩野川や放水路の管理者だが、処理に関与できない。
 高野組合長は「国、市、地元の3者が協力しなければ処理が進まない。漂着物について意見交換する場を設けてほしい」と提言する。市は「(提案内容を)聞いて判断したい」、同事務所は「要請があればいつでも参加する」と前向きな姿勢を示している。

 ■行政と住民、一体で保全 沼津・千本浜海岸
 沼津市の千本浜海岸周辺では、同市赤十字奉仕団が清掃活動を実施している。2017年に国土交通省沼津河川国道事務所と共同で管理を担う「海岸協力団体」に指定された。同事務所管内で唯一の指定団体で、行政と住民が一体でごみ処理など浜辺の保全を行っている。
 同団体は1960年から毎年夏、流木や草、ごみといった漂着物を回収している。地域住民の海岸美化への意識が高まり、2019年6月に実施した時には約200人が参加した。
 同市内の駿河湾周辺の海岸や漁港は沼津市と県がそれぞれ指定された区分を管理する。大量の漂着物が押し寄せた大瀬崎は、以東の西浦漁港を含めて沼津市が保全の責任を持つ。
 大瀬崎の地元住民らは千本浜の事例を「漂着物処理の枠組みとして参考にしたい」と話す。

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