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南海トラフ、後発地震警戒で事前避難 首相が自治体に指示、明記

(2019/5/31 18:05)
南海トラフ地震対策基本計画の修正ポイント
南海トラフ地震対策基本計画の修正ポイント
南海トラフ巨大地震の「半割れ」ケース
南海トラフ巨大地震の「半割れ」ケース

 政府の中央防災会議(会長・安倍晋三首相)は31日、防災基本計画と南海トラフ地震防災対策推進基本計画を修正した。南海トラフ巨大地震につながる恐れがある現象を観測した場合に、住民に事前避難などを促す防災対応を盛り込んだ。これを受け、気象庁は同日午後3時から「南海トラフ地震臨時情報」の運用を開始する。
 南海トラフ地震防災対策推進基本計画では、想定震源域でマグニチュード(M)8以上のプレート境界型地震が発生する「半割れ」ケースの場合、気象庁が「巨大地震警戒」の臨時情報を発表。首相が、後発地震に備えて沿岸部の住民らに1週間の事前避難を促すなどの対応を自治体の首長に指示すると明記した。
 南海トラフ沿いでM7級の地震が起きたり、ひずみ計で異常が観測されたりした場合は、気象庁が「巨大地震注意」の臨時情報を出し、国が日頃からの地震への備えを再確認するよう国民に呼び掛ける。
 安倍首相は「政府としては引き続き、ハード、ソフトを適切に組み合わせた総合的な防災対策に官民一体で取り組んでいく」と述べた。
 今回の修正で、南海トラフ沿いの異常現象に備えた防災対応が、正式に国の計画に位置付けられた。防災対応を巡っては、内閣府がガイドラインを3月末に公表し、自治体や企業に2019年度中をめどに具体的な計画を策定するよう呼び掛けている。

 ■県版指針「年度内に」
 南海トラフ巨大地震の臨時情報が発表された際、県民が取るべき避難行動の参考にするのが、事前避難に関する県版の対策指針(ガイドライン)だ。県が策定段階にあり、「年度内に取りまとめたい」としている。
 県危機政策課によると、策定に向けてはまず県内の複数箇所でモデル地区を選定し、その上で当該地の行政や自治会と情報交換する予定。そこで挙がった意見を基に、高齢者や障害者ら要配慮者と健常者がそれぞれ取るべき避難行動の方向性を盛り込む。
 モデル地区は想定浸水域に指定されている都市部や漁村など、地域特性を踏まえて候補地を洗い出し、現在、当該自治体と調整している状況という。

 ■死者数28%減 23.1万人と推定
 内閣府は31日の中央防災会議で、2018年度時点での最新データを踏まえた参考値として、南海トラフ巨大地震による最大死者数が被害想定の32万3千人より約28%少ない23万1千人になるとの試算結果を報告した。
 アンケートで国民の津波避難意識が向上し、建て替えや改修により住宅の耐震化も進んだことなどが要因という。ただ、国民の意識が状況次第で変化することなどを勘案し、被害想定は32万3千人のまま据え置くとした。政府は23年度までに被害を約8割減らすことを目標に対策を進めている。

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