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地元範囲、国が定義を 浜岡原発停止8年、静岡新聞社アンケート

(2019/5/12 11:00)
再稼働を巡る「地元の範囲」の在り方に対する考え
再稼働を巡る「地元の範囲」の在り方に対する考え
全炉停止から8年を迎える中部電力浜岡原発=3月15日、御前崎市佐倉(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
全炉停止から8年を迎える中部電力浜岡原発=3月15日、御前崎市佐倉(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)が政府の要請で全炉停止して14日で丸8年となる。静岡新聞社が浜岡原発から半径31キロ圏内11市町の首長を対象に行ったアンケートで、再稼働の同意を得る必要がある「地元」の範囲がどうあるべきか聞いたところ、国が率先してルール作りするよう求める記述が相次いだ。地元の範囲を巡っては、かねて政府が立地自治体などに判断を丸投げしているとの批判があり、定義が曖昧な現状を是正すべきとする県内関係市町の率直な思いが垣間見える。

 ■31キロ圏内5市 求める
 国にルール化を求めたのは牧之原、掛川、藤枝、袋井、磐田の5市。牧之原市などは「原発は国策事業」と指摘し、掛川市と袋井市は法制化を要請した。磐田市は東京電力福島第1原発事故を念頭に「原発が県や立地自治体だけの問題でないことが明らかになった」とし、国が主導的な立場にあることを示唆。藤枝市は少なくとも31キロ圏内は地元の範囲であるとの認識を示した上で「さらに県内全域なのか、県境の自治体の意思は無視できるのか根拠を示せない」と強調した。
 選択肢では掛川、袋井、吉田、森の4市町が「31キロ圏内」を、島田市が「県内全市町」を選択し、地元の範囲は原発施設から極力広くあるべきと考える傾向も浮かんだ。
 袋井市は「31キロ圏は原発事故で放射線被ばくを受ける可能性がある」、吉田町は「31キロ圏7市町は県などと安全協定を締結している」とし、再稼働に対し“発言権”のある立場だと主張。立地市の御前崎市などと共に原発周辺4市の枠組みに入る掛川市も「4市は当然だが、国から広域避難計画の策定が義務付けられている31キロ圏の同意も必要」と配慮を見せた。
 御前崎市は2018年に続き、「立地市のみ」を選択した。「原発から5キロ圏の予防防護措置区域(PAZ)」「原発周辺4市」を選んだ自治体はなかった。
 浜岡原発周辺4市と31キロ圏7市町がそれぞれ中電、県と結んでいる安全協定に再稼働の事前同意に関する具体的な規定がないことについて考えを聞いた設問では、ほとんどの市町が「今後検討すべき課題」などとして「その他」を選択した。唯一、「明記すべき」を選んだ掛川市は「安全協定は福島の事故以前のもので再稼働を考慮していないから」とした。

 ■広域避難計画 4市町未策定
 アンケートでは中部電力浜岡原発から31キロ圏内にある11市町に策定が求められている広域避難計画について、藤枝、焼津、袋井、吉田の4市町が「未策定」と答えた。いずれも国や県などと協議中とし、藤枝市と吉田町は2019年度中の策定を目指すと明記した。
 策定済みの7市町は昨年の調査に比べ3市町増えた。実効性については「一部低い」「不十分」などとした回答が複数あった。
 牧之原市は「一定の基準で策定したが、課題は多い」とし、関連する計画やマニュアルで実効性を高めたいと強調。掛川市と島田市は安定ヨウ素剤の事前配布や要配慮者の避難手段の確保などで調整すべき点が多いとした。

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