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建物内進入判断、意見割れる 吉田・工場火災、専門家が対応の難しさ指摘

(2020/7/10 08:57)

 吉田町川尻の日用品メーカー「レック静岡第2工場」で5日未明に出火し、警察官ら4人の遺体が見つかった火災で、現場の状況を十分に把握する前に消防隊員らが屋内に進入した判断を巡り、専門家の間で意見が分かれている。「不用意に入るべきではなかった」との指摘がある一方、迅速な消火活動に向けて「発火点の確認のため、やむを得なかった」との声も上がる。
 「逃げ遅れがなければ、中に入らないのが鉄則」。早稲田大の長谷見雄二教授(建築防災)は、倉庫は爆発的燃焼が起きやすい特異な環境だと指摘し、建物内進入の判断に疑問を呈する。
 関係者によると、爆発は1階南側で起き、大量の黒煙が発生。1階北側にいた消防隊員らは屋外に退避したが、2階にいた4人が取り残されたとみられる。現場に駆け付けた同社の従業員は「爆発が起きる前に扉から熱気を感じた」と証言している。
 長谷見教授は「扉が熱くなっていたのであれば、なおさら内部が危険な状態と予見できたはず」と語る。
 一方、諏訪東京理科大の須川修身名誉教授(火災科学)は「大きな建物では延焼が拡大する前に消し止めるのも大事」と考える。「現段階で、進入の判断が誤っていたとまでは言えない」との見解を示した。
 総務省消防庁から赴任している加藤晃一・県危機管理監代理兼危機管理部長代理は「リスクがあることを事前に感じられなかったのではないか」と推察。倉庫火災の対応の難しさを指摘した上で、「今回の火災を教訓にし、消防関係者の間で共有していく必要がある」と述べた。

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