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一部オーナー債務解消へ スルガ銀行、シェアハウス問題

(2020/3/26 07:52)

 スルガ銀行は25日、不正融資問題の発端となったシェアハウス向け融資に関連し、物件オーナー257人分の関連融資債権を第三者に譲渡したと発表した。オーナーはシェアハウスの土地と建物を手放して第三者に代物弁済を行うことで債務を解消できる。
 スルガ銀によると、同行から融資を受けた物件オーナーは約1250人。スルガ銀は今後、他のオーナーも望めば同様の措置を取る方針で、シェアハウス問題は大きく前進する見通しだ。
 スルガ銀によると、今回の対象となった257人は東京地裁に非公開の民事調停を申し立てていた。措置の対象物件は343棟(債務額約440億円)。スルガ銀はオーナーに解決金を設定して融資金の一部と相殺。その上で、融資残高を第三者である他社に譲渡する。
 シェアハウス融資を巡っては、実勢価格より高値で物件を取得したオーナーも多かった。このため、通常の代物弁済で債務を解消しようとした場合、実勢価格と借入債務の差額が課税対象になる懸念があったが、この差額分をスルガ銀が「解決金」として実質的に賠償する形をとることで、非課税扱いになる見通しという。
 東京地裁の調停委員会はスルガ銀の関連融資について、不法行為に基づく損害賠償義務が生じると認定。これを踏まえてスルガ銀は調停勧告に応じ、同日、オーナー側と最終合意した。
 スルガ銀はこれまでに元本の一部カットなどで応じてきたが、シェアハウス問題の早期解決を図る狙いから調停勧告に応じたとみられる。

 ■抜本解決に道筋
 スルガ銀行がシェアハウス関連融資の債権を第三者に譲渡したのを受け、シェアハウスオーナーの弁護団は25日、「被害者オーナーが不正融資による債務から解放されることになる」との声明を発表した。都内で記者会見した河合弘之弁護団長は「金融史上初の完全救済を勝ち取った」と述べ、抜本解決に至ったとの認識を示した。
 河合団長は「いくつかの重要な分岐点があったものの、全ての選択が正しかった。最も悪いのは悪徳不動産業者だが、戦略的にスルガ銀行に照準を合わせて徹底的に戦ったことが勝利につながった」と強調。同席したオーナーは「つらくて苦しい時間から解放され、ほっとしている」と心境を明かした。
 一方で、弁護団は今回解決した257人以外にも、約千人のオーナーが残されていると指摘し、救済への取り組みを続けるとした。
 オーナーが有国三知男社長を相手に起こしている株主代表訴訟については、河合団長は「これから株主兼原告の人とよく相談しながら進めたいが、円満解決したことは影響する」と述べた。

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