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掛川、広がる悲しみ 「ねむの木」園長、宮城まり子さん死去

(2020/3/24 07:32)
関係者や地域住民を招いた学園の運動会で、子どもたちの演技を見守る宮城まり子さん=2019年10月、掛川市のねむの木学園
関係者や地域住民を招いた学園の運動会で、子どもたちの演技を見守る宮城まり子さん=2019年10月、掛川市のねむの木学園
宮城まり子さんが昨秋関係者に送った運動会の招待文。病状への不安や子どもたちへの思いが記されている
宮城まり子さんが昨秋関係者に送った運動会の招待文。病状への不安や子どもたちへの思いが記されている

 ねむの木学園の宮城まり子園長(93)の逝去を受け、掛川市上垂木の同園では23日、園で生活する子どもたちが宮城さんをしのんで玄関先に多数の花々を植栽した。訃報を知って花を届けたり近接の美術館を訪れたりする人々もいて、地元では悲しみが広がった。
 宮城さんは21日に都内の病院で息を引き取った。今後、遺骨を学園に運び、27日に学園関係者のみでお別れの会を開く。職員によると、園内では障害があり繊細な子どもたちの心を乱さないよう、「先生はお空にお出かけになった」と遠回しな表現で説明したが、中には号泣する子もいたという。職員は「もうすぐここに、先生の心が帰ってくるから」と励まし、子どもたちと花の植栽やお別れ会の準備に打ち込んだ。
 お別れ会は花やメッセージカードを掲げ、温かい雰囲気で開催する予定。終了後、園内に献花台を設けて一般の弔問を受け付ける。
 掛川市に残る「日東人物誌」によると、宮城さんは明治期に旧日坂村(現同市)村長を務めた本目藤十氏のめい。両親の墓は市内の長松院にあり、寺の関係者は「かつて宮城さんが墓前で歌い、近所の人が聞きに集まったことがあった。職員さんが寺に花を届けに来ていた」と話す。
 宮城さんは地元への貢献にも熱心で、最近では地区の相談に応じ近隣の空き家を買い取って茶屋にする計画も進めていたという。親交のあった元区長青山俊夫さん(79)は「僕らにとっては気さくな先生。まだやりたいことがあったと思うが」と惜しんだ。
 関係者に昨秋送られた運動会の案内で、宮城さんは「子どもたちはびっくりするような才能を持っている」と愛着を記し、「今年で終わりになるのかな」「クヤシイナ」と自身の病状への不安を吐露していた。松井三郎掛川市長は「障害児への支援が十分でない時代から、自己を犠牲にして取り組んでこられた。残念でならない」と悔やんだ。

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