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子どもに芸術、命注ぐ 宮城まり子さん、最期まで病床から指導

(2020/3/23 17:44)
2018年、天皇、皇后両陛下とねむの木学園の園生のダンスを鑑賞する宮城まり子さん(右)=掛川市
2018年、天皇、皇后両陛下とねむの木学園の園生のダンスを鑑賞する宮城まり子さん(右)=掛川市

 掛川市のねむの木学園園長として、障害のある子どもたちの育成に生涯をささげた宮城まり子さん(93)が21日亡くなった。2年ほど前から悪性リンパ腫との闘病を続け、施設職員によると、亡くなる直前まで子どもたちへの芸術指導に力を振り絞っていたという。
 宮城さんは女優として脳性まひの子どもを演じた経験から、障害のある子どもたちが教育から置き去りにされていると知り、1968年に当時の浜岡町(現御前崎市)に学園を開いた。子どもたちの芸術の才能に注目して絵画や音楽の指導を重ね、その作品は世界的評価を受けてきた。
 「子どもたちの頑張りを多くの人に見てもらい、認め合う大切さを感じ合える場所になれば」と運営への思いを語っていたが、2年ほど前にがんであることを公言。昨年10月に学園で開いた運動会では、招待客に「子どもたちが心配だけれど、みんなに守られてここにいることをありがたく思います」と周囲への感謝を伝えていた。
 今年8月には静岡市のグランシップでコンサートが計画され、宮城さんが指揮を執る予定だった。学園によると、宮城さんは亡くなる数日前まで、体調を崩していた生徒の病状を職員に尋ねるなど子どもたちを気に掛けていたという。
 職員の梅津健一さん(61)は「みんなのお母さんとして慕われてきた。子どもたちとの関わり方は、私たち職員から見ていても毎日発見の連続だった。職員で遺志を引き継がなければならない」と話した。

 ■障害者アートの先駆者
 障害者芸術の認知度向上に力を尽くした宮城まり子さん。静岡県内で障害者の文化芸術活動を推進する関係者は、先駆けの死を悼んだ。障害者の表現活動を発信する認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ(浜松市中区)の久保田翠代表理事は、「日本の障害者アートの先駆者。多くの文化人を巻き込んだのは彼女だからできたこと」と振り返った。

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