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【台風19号】作物に泥、農家悲痛 イチゴ本格出荷目前

(2019/10/16 07:28)
ビニールハウスが浸水して泥が付いたイチゴの苗。生産者は連日復旧作業に追われている=15日午前、伊豆の国市長崎
ビニールハウスが浸水して泥が付いたイチゴの苗。生産者は連日復旧作業に追われている=15日午前、伊豆の国市長崎

 静岡県内に大きな被害をもたらした台風19号。猛烈な風雨による高波や浸水害は沿岸部にも深い爪痕を残した。損壊した磐田市の防潮堤は被害が大規模で、復旧の見通しは立っていない。農産物の被害も相次ぎ、書き入れ時を前にビニールハウスが浸水した伊豆の国市のイチゴ農家からは悲痛な声が上がった。連休明けの15日、被災した市町では、多くの住民が罹災(りさい)証明の発行を受けるため窓口を訪れた。
 県内有数のイチゴ生産量を誇る伊豆の国市では、イチゴを栽培する多数のビニールハウスが浸水した。生産者は15日も苗の植え直しや泥が付いた葉の洗浄など復旧作業に追われたが、年内の出荷が難しい状況。クリスマスや年末年始の需要期を控え、生産者は「これから出荷が本格化するはずだったのに…」と悔しがった。
 同市長崎できらぴ香を育てる男性(62)は台風が通過した13日朝、ハウスの様子を見に行くと、地面から1メートルほどの高さで高設栽培している苗が全て泥水につかっていた。想定外の雨量で、浸水を防げなかった。男性は「あとは収穫するだけだった。何とか年内に回復できれば」と願い、黙々と作業を進めた。
 JA伊豆の国青壮年部は被害を受けた生産者の復旧作業を手伝っている。
 同部北支部長の男性(45)は「一日でも早く収穫できるように協力したい」と話した。
 同JAによると、イチゴの生産者142人中39人が浸水やビニールハウス損壊などの被害を受けた。浸水は約8・4ヘクタールで発生し、担当者は「少なくとも1割は生産額が減るのでは」と予測する。クリスマス前は1年で最も高値が付く時期。この被害で、今期の栽培を断念する生産者もいるという。
 JA静岡中央会の調べでは、JA三島函南管内でもイチゴやトマトを中心に数十件の被害を確認した。県中部ではJA大井川管内、西部ではJA遠州夢咲管内でレタスや水稲などに被害が出ているという。

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