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サクラエビ不漁原因、3年かけ探る 静岡県有識者研究会が初会合

(2019/7/31 07:57)
静岡県の有識者研究会初会合で基調講演する秋道智弥氏=30日午後、県庁
静岡県の有識者研究会初会合で基調講演する秋道智弥氏=30日午後、県庁

 駿河湾サクラエビの深刻な不漁を受け、静岡県が設置した有識者による「『森は海の恋人』水の循環研究会」の初会合が30日、静岡県庁で開かれ、今後3年かけて不漁の原因などを探ることを確認した。南アルプスが源流の富士川、大井川と駿河湾の相関について多分野の専門家らが研究し、生物多様性の保全や資源の持続的利用について考える。
 冒頭あいさつした川勝平太知事はサクラエビ不漁を念頭に「漁師から『海が濁っている』との叫びがある」と指摘。富士川の濁りの一因とされ、日本軽金属が管理する堆砂率93・4%の雨畑ダム(山梨県早川町)に触れ「こうなるまで放っておいたのはざんきに堪えない」と批判した。
 研究会顧問の秋道智弥・山梨県立富士山世界遺産センター所長は「各分野の特性を生かし、他分野とコラボレーションしてほしい」と学際的なアプローチを委員らに指示した。
 10月下旬に2回目を開き、各委員が専門分野ごとに研究成果などを発表する。一方、研究会の目的や進め方について話し合った委員からは「提言ではなく、実践的な活動にすべき」との意見や期間の短さを指摘する声が相次いだ。
 議事の取りまとめを担う委員長の鈴木伸洋・水産研究教育機構フェローは「地方自治体がこれほど広い分野を扱う研究会の設置を実現できた例はない。多角的な議論で県民の暮らしに資するようにしたい」と述べた。

 ■「濁り、海底湧水ふさぐ」 顧問の秋道氏
 深刻な不漁にあえぐ駿河湾サクラエビ。日本軽金属蒲原製造所(静岡市清水区)の放水路から駿河湾に流れ出る強い濁りとの関係を漁師らが心配する中、「濁り成分が長年海の底に沈殿し、海底湧水の出口をふさいでいるのでは」との仮説が30日の「『森は海の恋人』水の循環研究会」で新たに指摘された。
 唱えたのは研究会顧問の山梨県立富士山世界遺産センター所長の秋道智弥氏。「森と海をつなぐ水循環」と題した基調講演で、河川から流入する強い濁りにより海底湧水の噴き出し口が目詰まりを起こし、海洋生態系に影響が出た播磨灘の例を挙げ、「駿河湾でも長年泥がたまり湧水が出なくなっている可能性がある」と述べた。
 放水路沖にも海底湧水の噴き出し口があることから、秋道氏は「河川などとともに海底湧水には非常に注目している。調査してもらいたい」と訴えた。

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