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特集 : 熱海土石流災害

熱海復興へ勇気の走り 最終区は伊豆山出身者【静岡県市町駅伝】

 ふるさとへのさまざまな思いを胸に37本のたすきをつないだ。4日に静岡市内で行われた第22回静岡県市町対抗駅伝競走大会(静岡陸上競技協会、静岡新聞社・静岡放送主催)。大規模土石流に見舞われた熱海市は敢闘賞の走りで、被災地に勇気を届けた。市の部は浜松市北部が貫禄の連覇を果たし、町の部は吉田町が悲願の初優勝を飾った。昨年に続くコロナ禍での開催。奮闘した選手や関係者は、一日も早く日常が戻ることを願った。

たすきを受け取り力強く走り出す熱海市伊豆山出身の徳田勝幸選手(手前右)=4日午前、静岡市清水区
たすきを受け取り力強く走り出す熱海市伊豆山出身の徳田勝幸選手(手前右)=4日午前、静岡市清水区
一丸となって敢闘賞を受賞し喜ぶ熱海市チーム=4日午後、静岡市駿河区
一丸となって敢闘賞を受賞し喜ぶ熱海市チーム=4日午後、静岡市駿河区
たすきを受け取り力強く走り出す熱海市伊豆山出身の徳田勝幸選手(手前右)=4日午前、静岡市清水区
一丸となって敢闘賞を受賞し喜ぶ熱海市チーム=4日午後、静岡市駿河区

 7月3日に大規模な土石流災害が発生した熱海市。「熱海を元気に」をチームの合言葉に掲げ、一人一人が強い気持ちでたすきをつないだ。昨年より順位を二つ上げ、タイムを14秒縮めて市の部22位でゴール。記録が顕著に上がったチームに贈られる敢闘賞を獲得した。土石流災害からの復興、コロナ禍で苦境に陥った観光業の再起を図る市民からのエールに応えた。
 最終区間を走った熱海市伊豆山出身の徳田勝幸選手(22)=帝京大4年=がゴールに飛び込むと、スタンドで見守っていた仲間たちから温かな拍手が湧き起こった。
 帝京大の陸上部に所属する徳田選手は7月3日、エントリーしていた陸上競技会に出場する予定だった。出発の直前、伊豆山の土石流災害の一報を聞いた。競技出場を急きょ取りやめ、都内の下宿先から郷里へと急いだ。熱海にたどり着いても規制線が張られ、現場に近づくことはできなかった。実家と祖父の代から営むシイタケ農園は無事だったものの、映像で見る変わり果てた伊豆山の姿に言葉をなくした。
 市町駅伝には小学生時代から出場してきた。「今大会はいつも以上に力が入った。熱海、そして伊豆山の代表として勇気を伝えられる走りをしよう」と臨んだ。学生としての大会出場は今年が最後。卒業後は家業のシイタケ農園を継ぎ、引き続き陸上にも取り組む。「農業と陸上で、地元を盛り上げたい」。息を整えると、次の舞台に向けて意気込んだ。
 大川慎一郎監督(42)は「市民の誰もが一刻も早い復興を願っている。市代表メンバーも全員、共通の思いだった」と語る。中・高生女子区間の1区を任せられた多賀中1年の小竹花歩さん(13)は、高校生の強豪選手がひしめく中、中学1年生ながら14分を切る力走を見せた。伊豆山の友人から大会前に「頑張れ」とエールをもらったという。「応援に応える走りができた」と振り返る。
 文字通りチーム一丸で手にした敢闘賞。大川監督は「応援が選手の力になった。来年の大会にもつながる走りだった」と選手をねぎらい、次回大会での一層の躍進を誓った。
 

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