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熱海土石流5カ月 “心の復旧”まだ遠く 相談員、被災者訪問

 熱海市伊豆山で起きた大規模土石流は3日で発生から5カ月がたつ。応急仮設住宅で暮らす被災者の心をケアする「市伊豆山ささえ逢(あ)いセンター」はこれまでに延べ98世帯を訪ね、傾聴を重ねてきた。「収入がなくなった」「いつ伊豆山に帰れるのか」-。災害後の悩みや不安は多岐にわたる。中には「まだ誰とも会いたくない」と面会を拒む人もいるという。“心の復旧”にはまだ、長い時間と多くの支援が必要だ。

被災者から聞き取った相談内容を確認する熱海市伊豆山ささえ逢いセンターのスタッフ=2日午前、同市
被災者から聞き取った相談内容を確認する熱海市伊豆山ささえ逢いセンターのスタッフ=2日午前、同市

 熱海市と市社会福祉協議会が運営する同センターは10月初旬に開設された。6人の相談員が市の保健師や社会福祉士とともに、県内外の13市町の応急仮設住宅に住む125世帯に電話したり訪問したりしている。必要に応じて専門機関につなげる役割も担っている。
 センターによると、伊豆山に戻って生活を再建したいと思っている人が多いという。一方で、「大変だったね」とか「大丈夫?」といった何げない一言で悲惨な記憶を思い出したり、現実と向き合えず「まだ本気で泣けていない」と打ち明けたりする人もいる。
 原盛輝センター長は「本当は頻繁に訪問したくても、被災者の負担になってはいけない。一人一人との距離感の保ち方が難しい」と吐露する。センターの最大の狙いは被災者の孤立防止。訪問を拒む人を見守るために、他の支援団体や被災者からも情報収集できるようネットワークの構築に努めている。
 相談員は6人中5人が女性で、交代でほぼ毎日活動している。看護師の資格を持つ鈴木恵理子さんは「他の被災者が今何をしているか、どこにいるのか気にしている人が多い」と話す。市は広報紙を応急仮設住宅に郵送しているが、行政以外の情報が伝わりにくい課題もある。特に会員制交流サイト(SNS)を使わない高齢者へのフォローは不可欠だ。
 センターは今後、応急仮設住宅がある地域や同じ境遇の人たちが集まって情報交換できる場をつくりたいとしている。

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