静岡人インタビュー「この人」 中山禎司さん 臓器移植の推進で厚生労働大臣感謝状を受けた医師
浜松医療センター(浜松市中区)の院長補佐兼循環器センター長兼脳神経外科部長兼眼科部長。臓器移植対策を推進した長年の取り組みが評価され、県内の個人で2人目となる厚労相感謝状を受けた。62歳。

-受賞の感想を。
「取り組みが高く評価された結果で光栄に思う。患者と家族の尊い意思を反映すべく、病院を挙げて取り組んできた」
-特に、尽力した点は。
「時間的、人員的な調整。臓器移植は多くの人が関わり、時間や場所の設定が大切になる。病院が積極的に進めるという意思を持って、医者や個人に負担がかからないよう協力できる体制を考えた」
-取り組みへの思いは。
「少しでも救える命があるなら貢献したいという気持ち。臓器移植は医学の敗北でなく、病を超えて生きる道があるということ。臓器が摘出され運ばれていく時に、家族が『頑張ってね』と見送る姿を見ると胸が熱くなる」
-臓器移植を取り巻く状況は。
「国際的に見て日本での臓器移植数は少ない。ただ、患者本人の意思確認が取れていなくても、家族の承認があれば提供可能となった2010年の法改正から非常に増え、考え方が前向きになってきていると実感している。引き続き啓発を進めたい」
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朝のジョギングが日課。
(浜松総局・土屋咲花)