浜岡原発の最大津波高22・5メートルで提示へ 防潮堤越える想定

 原子力規制委員会による中部電力浜岡原発3、4号機(御前崎市佐倉)の新規制基準適合性確認審査の対象となっている「基準津波」策定に関し、中電がプレート間(南海トラフ)地震で発生する最大津波高を22・5メートルとして、次回の審査会合に提示する方針を決めた。敷地前面に建設した22メートルの防潮堤を越え、構内の一部が浸水する想定となる。28日までの中電への取材や規制委が公表している事業者ヒアリングの資料から分かった。

22メートルの防潮堤が建設されている浜岡原発。中部電力は越流の想定となる22・5メートルの津波高を原子力規制委員会に提示する=2018年12月、御前崎市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
22メートルの防潮堤が建設されている浜岡原発。中部電力は越流の想定となる22・5メートルの津波高を原子力規制委員会に提示する=2018年12月、御前崎市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 今後は規制委が22・5メートルの算出に至った中電の評価手法の妥当性を認めるかが焦点となる。浜岡原発では越流にも備えた多重の津波対策をとっているが、審査の展開次第では防潮堤のかさ上げなど追加工事が必要となる可能性もありそうだ。
 中電は浜岡原発のプレート間地震の津波について、独自モデルを使って評価している。国内外のマグニチュード(M)8、9クラスの地震による津波の最新の科学的知見に基づいて検討し、これまでは最大津波高を20・3メートルとしてきた。
 ただ、M9クラス地震での津波発生事例が少ないことなどを踏まえ「不確かさをさらに考慮する必要がある」と判断。評価に影響の大きいプレートのすべり量と跳ね上がる時間(ライズタイム)の組み合わせをより厳しい条件に設定して解析した結果、22・5メートルを算出した。
 中電は2019年5月の審査会合で、内閣府の南海トラフ津波想定に規制委が要求した条件を加えた試算として同じ22・5メートルを示したが、この際は「考慮する必要のない不確かさを反映させたもの」と参考値の扱いを主張した。今回は主体的に不確かさの幅を広げ、22・5メートルの数値を審査対象とする意志を明確化する形となり、意味合いが異なる。
 浜岡原発では防潮堤のほか、建屋内への浸水を防ぐ耐圧・防水構造の強化扉、高台への電源設備の配備といった多重の津波対策を新規制基準決定前から自主的に進めてきた。
 中電は「基準津波が確定していない現時点では追加対策を検討する段階にない」とし、まずは既存の対策を規制委に説明した上で新規制基準に適合するかどうかを議論したい考え。前提となる津波高の早期決定に「全力を注ぐ」としている。

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