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特集 : 熱海土石流災害

盛り土崩落部、湧水80カ所 熱海土石流検証委、工法妥当性確認へ

 熱海市伊豆山の大規模土石流を巡り、県は26日、技術的な発生原因を調べる検証委員会の第2回会合を県庁で開いた。土石流の起点になった盛り土崩落部に地下水の出る湧水点が約80カ所あり、一定量の地下水が盛り土内に流入していた可能性が高いとする調査結果を報告した。ただ、同検証委は施工状況などの情報が不足して発生メカニズムの特定は困難と判断し、今後は盛り土工法の妥当性に重点を置いて検証を進める方針を確認した。

熱海土石流の発生原因を調べる県検証委員会の議論の主なポイント
熱海土石流の発生原因を調べる県検証委員会の議論の主なポイント


 県は赤外線を使って地下水が湧き出ている湧水点を調べ、崩落部の西寄りに多かったことを確認した。地質を調べるボーリング調査によって、北側の鳴沢川流域から逢初(あいぞめ)川に地下水の一部が流入していることも確かめた。
 また、住民が撮影した動画などを分析した結果、下流域で土石流の波が少なくとも7回あった。盛り土崩落も複数回と推定したが、下流部の土石流とタイミングは一致しないとみられる。このため、逢初川上流部の途中に盛り土崩落過程で小規模な天然ダムができ、ダム崩壊の際に水分を多く含んだ土砂が下流に一気に流れ下った可能性を指摘した。
 終了後の記者会見で委員の沢田和秀岐阜大教授は「水の流れを盛り土でせき止めていれば崩落の原因になり得る」との認識を示した。難波喬司副知事は、業者が施工状況の聞き取りに応じていないとしてメカニズム特定を断念した理由を説明。「今後は盛り土で適切な排水ができていたのかが一番のポイントになる」と述べた。
 同検証委は当初、来年1月をめどに報告書をまとめる方針だったが、調査に時間がかかり、まとめを来年3月に繰り下げる。
 (政治部・大橋弘典)

 【図表】熱海土石流の発生原因を調べる県検証委員会の議論の主なポイント

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