双方批判 対立解消を求める声相次ぐ【知事辞職勧告可決】

 川勝平太知事が御殿場市を「コシヒカリしかない」と地域差別とも取れる発言をしたことを巡り、静岡県議会が知事の辞職勧告決議を可決した24日、県民からは改めて発言自体を問題視する声が上がった。一方で県政の停滞を懸念し、知事と県議会最大会派の自民改革会議の双方に対し、長く繰り返される対立の解消を求める意見が相次いだ。

県議会臨時会で、川勝平太知事に対する辞職勧告決議案の記名投票を行う議員=24日午後2時41分
県議会臨時会で、川勝平太知事に対する辞職勧告決議案の記名投票を行う議員=24日午後2時41分

 「一生懸命頑張っている農業者をばかにしている」と知事の発言に憤るのは、御殿場市の自営業高村典子さん(52)。川勝知事が一時は「誤解」と釈明したことに「県政の全てに責任を持つ立場なのに、自分の発言にすら責任を持たない」と切り捨てた。
 同市のNPO法人理事長小沢勝彦さん(79)も「御殿場をばかにした発言だった」と苦言を呈す。ただ、知事の謝罪は受け入れ、県議会の動きに「知事を替えたい自民が発言を針小棒大に利用している。御殿場にはプラスにならない」とくぎを刺した。
 6月の知事選ではリニア中央新幹線トンネル工事に伴う大井川の水問題に関する懸念を強く訴えた川勝知事が流域市町で多くの票を得た。島田市の会社員増田紗江さん(42)は知事の今回の発言を否定した上で「(知事選で)有権者は総合的に判断した。問題発言だけに焦点を当てて引きずり下ろすのはどうか」と自民会派の方針に疑問を投げ掛ける。
 発言で引き合いに出された浜松市。「浜松のウナギを食べてくれるのはうれしいが、県全体のことを考えて」。同市西区で養鰻(ようまん)業を営む古橋知樹さん(38)は知事に注文を付ける一方、自民会派との対立について「今回の件を機に、うまくまとまってくれたら」と願う。
 新型コロナ禍は収束せず、感染流行第6波への警戒や経済の出口戦略など、県政には待ったなしの課題が山積する。クラスター(感染者集団)発生施設などの対応に当たってきた浜松医科大付属病院感染対策室副室長の古橋一樹医師(46)は、知事と自民の長年のいがみ合いを「少しあきれて見ている」とした上で、「知事は言動に責任を持ってもらい、自民も前向きな施策をアピールしてほしい」と求めた。

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