自民 もくろみ外れ急転 ふじのくに崩せず【知事不信任見送り】

 静岡県議会最大会派の自民改革会議が知事の不信任決議案を提出する方針を11月12日に明らかにしてから11日。急転直下ともいえる方針転換に会派内も揺れた。「ここまで(提出すると)引っ張ってきて、やめるのは情けない」。可決に奔走してきた県議からは落胆の声が聞かれた。

静岡県議会
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 知事の発言自体は先月23日だったが、その数日後からネット上で発言が拡散され、批判がわき上がった。11月に入り、県議会でも問題視する声が出始めると報道も過熱。川勝知事が謝罪せずに言い訳を繰り返す会見をすると批判の声はさらに高まり、県議67人中49人が署名する異例の抗議文を知事に提出する事態に発展した。
 この抗議文が不信任案提出に突き進むきっかけとなった。可決すれば議会解散か知事失職となる不信任決議案はそれだけにハードルは高く、出席議員の4分の3以上の賛成が必要。その4分の3にあたる「51」に抗議文署名議員数が迫ったことで、可決の可能性が現実味を帯びた。
 不信任案提出に積極的な県議からは当初、可決を確信したかのような声が聞かれた。可決には知事に近い第2会派ふじのくに県民クラブからの“造反”が必須だが、次期選挙後の支援の約束や同会派を支援する連合静岡への働き掛けなど、あの手この手で多数派工作を仕掛けた。自民党関係者が「やることはすべてやった」と振り返るように、今月自民党入りしたばかりの衆院議員細野豪志氏にも説得を試みさせた。
 ふじのくに内にも知事の発言に対する批判はあったが、6月の知事選で4選したばかりの川勝氏の不信任案に同調する議員はいなかった。同会派は不信任案が提出された場合、採決の際には投票用紙に記入した賛否を周囲に見せるよう申し合わせ、引き締めを強めた。22日の幹部の記者会見では、会派内議員に対する自民側の多数派工作の様子を録音した音声の存在を明らかにし、自民をけん制した。
 可決の公算が小さくなると、自民会派内の熱は急速に冷めた。主戦論もあったが、「不信任案は何度も出せるものではない。国会の野党と同じようなことはできない」(ベテラン県議)と、提出は可決が前提という声が強まった。可決に向けて方策を尽くしてきた執行部もそうした声を受け入れざるを得なかった。

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