車内をオフィスに 浜松市の実証実験1年 給電スポット増設へ

 浜松市内の公共駐車場に車を止め、車内をオフィス代わりに利用する「浜松テレワークパーク構想」が11月で実証実験開始から1年を迎えた。新型コロナウイルスの感染状況は落ち着いているが、市は感染の“第6波”到来や市外からのワーケーション需要なども見据え、車両に給電できる駐車場所を10カ所に増やして後押しする。

駐車場に止めた軽ワゴン車で仕事に取り組む田上裕二さん=10月下旬、浜松市中区の浜松城公園
駐車場に止めた軽ワゴン車で仕事に取り組む田上裕二さん=10月下旬、浜松市中区の浜松城公園

 「顧客とテレビ会議で話す機会が多く、カフェなどは利用しづらいケースもある。車の中なら静かだし、落ち着く」。10月下旬、同市中区の浜松城公園駐車場。利用者の損害保険ジャパンの田上裕二さん(41)は、後部座席に机を据え付けた軽ワゴン車でパソコンに向かい、仕事に打ち込んだ。本県に緊急事態宣言が出て出社抑制が求められた今夏は、「特に重宝した」と語る。
 テレワークパークの実証実験は新浜松駅(中区)近くと弁天島海浜公園(西区)でスタートし、現在は浜松城公園のみで利用できる。企業の経営サポートを手掛ける同市のウィーウィルとスズキ、東海理化(愛知県大口町)、同市でつくる実現委員会が運営する。
 外部電源で動く小型エアコンを搭載するなど“オフィス仕様”に改造した軽ワゴン車など5台を用意。企業10社以上が登録し、使い勝手を検証中だ。駐車場の電源整備などを含めた官民連携での環境整備は全国的にも珍しい取り組みという。
 市は電源や専用区画整備費など予算3400万円を計上した。利用場所には自然環境を楽しめ、休憩や仕事のアイデアを練る際の散策にも適した佐鳴湖公園や遠州灘海浜公園を選んだ。市観光・シティプロモーション課の担当者は「海外はコロナの感染拡大が続き、国内でも職場の感染防止対策が課題になっている。リモートワークの流れは定着するのではないか」とみる。
 本格実施に向けては認知度向上や持続可能なビジネスモデルの確立が課題となる。実現委員会の杉浦直樹代表(46)は「多くの市民に体験してもらい、より良い働き方を提案したい」と意気込む。

 <メモ>実証実験は参加企業が法人単位で登録し、従業員が必要に応じて車両を借りる仕組み。利用料金は半日1500円、1日3000円。車載の机や蛍光灯、携帯式バッテリー、ネット接続用モバイルルーターを利用できる。関係者によると、実験は2022年3月までの予定で、結果を踏まえて今後の事業展開を検討するという。

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