JR社長「減水、蓋然性ない」 中下流域水量、根拠示さず【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、JR東海の金子慎社長は17日、名古屋市内で開いた定例記者会見で、中下流域の水量が減る可能性について、国土交通省専門家会議で議論が続いている中間報告案の内容に関し「(減水の)蓋然(がいぜん)性はないのではないかと明瞭に記載されている」との認識を示した。ただ、中間報告案のどの部分が具体的に該当するのかは明言しなかった。

記者会見で大井川中下流域の減水可能性について説明するJR東海の金子慎社長=17日午後、名古屋市内
記者会見で大井川中下流域の減水可能性について説明するJR東海の金子慎社長=17日午後、名古屋市内

 中間報告案の冒頭に記された「主なポイント」を読んだとし、「それを読めば、一つのことを捉えてということではなくて、私の申し上げたように理解するのが自然だ」と説明した。9月の記者会見時の「(減水の)蓋然性が低い」から一歩踏み込んだ発言だが、同社の工事担当者は専門家会議で中下流域の水量が減る可能性を説明していて、整合性が問われそうだ。
 専門家会議が9月に示した中間報告案に「推計されたトンネル湧水量は確定的なものではない」と追記したことについては「中間報告案の字句についてあなた(記者)とやりとりするつもりはないし、手元に持っていない」と言及を避けた。
 また、9月の流域市町長との意見交換会について、報道機関に提供した議事概要でJR側の発言者が匿名だったことに関しては「当日はJR東海で話をしたのは私だけだった」と述べ、自身の発言だったと認めた。

 17日に行われたJR東海の金子慎社長の定例記者会見での主なやりとりは次の通り。
 ―9月の記者会見で大井川中下流域の減水可能性について「蓋然(がいぜん)性が低い」と発言したが、根拠を具体的に教えてほしい。
 「私の意見、独自の見解ではなく、有識者会議(国土交通省の専門家会議)でそういう議論が積み重ねられてきている。中間報告案の頭の『主なポイント』を読んでも、水の利用、水が減る、地下水の不安、そういうことの蓋然性はないのではないかと明瞭に記載されている」
 ―9月の中間報告案には新たに「推計されたトンネル湧水量は確定的なものではない」という文言が加わった。認識しているか。
 「中間報告案の字句について、あなた(記者)とやりとりするつもりはないし、手元に持っていない。ただ、それを読めば一目瞭然、明快だ」
 ―9月に開かれた流域市町長との意見交換会の議事概要はJR側の発言者が匿名だ。
 「当日はJR東海で話をしたのは私だけだった。名前を書くか、書かないかというよりもJR東海として責任を持って発言していることが分かればいい」
 ―意見交換会で、工事期間中を含めたトンネル湧水の全量戻しを求めた流域首長がいたが、社長の認識は。
 「最初に県とやりとりした際は(湧水を戻す)タイミングについての認識がない中で、大井川の水量に影響を与えるか与えないかという焦点が当たっての議論だった。(工事期間中に)戻さないと申し上げているつもりはない」

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