熱海土石流 土砂搬出に2億9800万円 熱海市補正予算案
熱海市の斉藤栄市長は12日、同市伊豆山の大規模土石流で堆積し、市内3カ所に仮置きしている土砂を、同市下多賀の長浜海浜公園付近に搬出することを明らかにした。土砂は県が公園南側の海岸の埋め立てに活用する方針で、市と連携して地元と協議する。市は土砂の搬出経費2億9800万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を22日開会の市議会11月定例会に提出する。

市によると、土石流で堆積した土砂約5万1千立方メートルのうち、1万立方メートルは県が熱海港の護岸工事の埋め立て材に使う。残りの4万1千立方メートルについて、県から同公園南側の海岸埋め立てに活用する提案があったという。
埋め立て面積は約9千平方メートル。約6万6千立方メートルの土砂が必要なため、他の場所からも土砂を搬入する見通し。土石流の土砂は来年6月末までに搬入完了を目指す。埋め立て後は広場として開放する案がある。
土石流の起点となった盛り土の土砂からは、土壌汚染対策法の基準を上回るフッ素が検出されている。ただ、海中にフッ素は自然に存在しているため、県の担当者は「埋め立てに使用しても問題ない」としている。
斉藤市長は「地元や議会の理解が必要だが、県の提案の方向で進むことを期待している」と述べた。